- 2025年6月1日
テキストを入力するだけで、まるで人間が話しているかのような自然な音声や音楽をすぐに作成できる。
そんな次世代の体験を叶えるのが、音声AIツール「Suno AI」です。
高度なAI技術を活用し、クリエイターから一般ユーザーまで、誰でも手軽に音声コンテンツを生み出せるこのサービスに、今、大きな注目が集まっています。
Suno AIを使ってどんな音楽生成ができるのか実際にチャレンジして、記事内で作成したものを紹介しています。
Suno AIに興味があるけど、どんな曲ができるのか気になる、という方はぜひ参考にしてみてください。
Suno AIとは?
以前、AIによる音声分離が可能な音楽ツール「Moises」というツールについて紹介しましたが、他にも音楽に関係する生成AIツールは多数存在します。
今回はSuno AIという音楽生成ツールが面白そうだったので実際に使ってみました。
まずは最初にSuno AIとはどういったものか、という点について紹介します。
Suno AIの概要
Suno AIは、AI技術を活用して簡単に高品質な音声を生成できるプラットフォームです。

文章を入力するだけで自動的に自然なナレーションや案内音声が作成でき、動画やプレゼン資料の音声追加、eラーニング、オーディオブック作成など、さまざまな用途で利用されています。
注目される理由と特徴
Suno AIが注目される理由は、その自然な読み上げ精度と多言語対応、高度なカスタマイズ機能です。
話者の声の種類や感情表現の調整が可能で、機械的な印象が少なく、実用レベルの品質を手軽に得られる点が大きな魅力です。
操作も直感的で、専門知識がなくてもすぐに利用できます。
Suno AIの始め方
Suno AIの始め方をまとめました。
Suno AIはすぐにアカウント登録とフリープランが体験できるので、ちょっと試してみたい方にもおすすめです。
アカウント登録の手順
公式サイトでメールアドレスやSNSアカウントを使って簡単にアカウント登録ができます。
登録後は基本的な利用規約に同意し、すぐにサービス利用を開始できます。
初めてでも迷うことなくセットアップできました。
基本的な使い方・操作画面の紹介
ログイン後、テキストを入力し、好みの音声タイプや話速、感情表現を選びます。

入力が完了したら音声生成ボタンを押すだけで、短時間で音声データが作成されます。
シンプルなインターフェースで、初めてでも直感的に操作できます。
Suno AIを実際に使ってみた
実際に私もSuno AIを使って楽曲を作ってみました。
私は普段、エレキギターを使って趣味でギターを楽しむ人間ですが、DTMなどの知識はそれほどありません。
そんな私でもSuno AIを使えば、自分の好きな楽曲を作れるのかチャレンジしてみました。
音声生成の流れ
実際にテキストを入力し、音声タイプを選択、そのまま生成を実行しました。
プロンプトは、Suno AIに関する情報を伝えていた方で見かけたものを参考に、下記のように設定しています。
Suno AIは日本語でもプロンプトを認識してくれるようですが、より正確に認識してもらいたい場合は英語で指定するほうがいいようです。
「夜の都会で散歩に合う, おしゃれで懐かしさや切なさ漂う、シティポップ」
これだけを設定しただけで、ボーカルの音色についてはいろいろ試していたときに巡り合ったものをペルソナとして登録したものを使っています。
このボーカルの声については、生成するたびに新しいものが選ばれるので、後ほど紹介するペルソナのお気に入り登録機能を活用してみてください。
さて、聞いた印象はいかがでしたでしょうか?
個人的には、「こういう曲好き!」というものでした。
皆さんがどう感じたかはわかりませんが、ほんの少し生成AIに指示してあげるだけで、歌詞も含んだ楽曲が生成されるのです。
もちろん、歌詞は自分で考えたものを打ち込んで、それをベースに曲を作ってもらうことも可能です。
ちなみに、楽曲が生成されるまで数分でした。
生成された音声のクオリティと感想
出来上がった音声は驚くほど自然で、人間らしい抑揚やイントネーションが感じられました。
AI特有の不自然さがほとんど目立たず、違和感のないクオリティです。
ためしに、同じ雰囲気にスカの要素を足したものを生成してもらいました。
プロンプトは以下のようなものを指定しています。
「夜の都会で散歩に合う, おしゃれで懐かしさや切なさ漂う、シティポップ、Ska」
では、このプロンプトでどういった感じになるのでしょうか?
※WordPressのアップロードできる容量の関係で、動画サイズを無理やり小さくしているので少し画質はあれですが、音質自体は原曲に近い形です。
スカの要素をプロンプトで加えたので、パーカッション的な音源が強くなって、リズムも跳ねた感じのものが生成されています。

個人で楽しむレベルであれば十分すぎるぐらいのクオリティだと思います。
自分が望む声(ペルソナ)に素早く出会えるかが重要(ペルソナの登録方法)
私はSuno AIを使って、比較的早いタイミングで自分が望む声(ペルソナ)に出会うことができました。
指定していたプロンプトが自然とそのイメージに近いものに巡り合わせてくれたのかもしれません。
この自分が望む声に素早く出会えると、Suno AIが一気に楽しくなります。
もちろん、他の声にも出会うためにペルソナの指定を外して、またランダムでいろんな声を探すというのもやっています。
ペルソナのお気に入り登録は、以下のように設定します。

生成した楽曲の横にあるマークを押して、「Create」の中にある「Make Persona」を選択してください。
これで自分のお気に入りの声を保存できます。

お気に入りに登録したペルソナを楽曲の生成で使いたい場合は、「Add Persona」を選択すれば、保存したペルソナを呼び出すことができます。
これでいつでも自分の好きな声で音楽を生成できます。
Suno AIの活用方法
Suno AIの活用法についてまとめました。
今回、私は個人で楽しむ楽曲を生成する目的で使いましたが、Suno AIはビジネスなどの場面でも活躍するツールです。
そういった部分も含めて活用の参考にしてみてください。
ビジネス・趣味での活用例
ビジネスではプレゼン資料のナレーションや社内研修動画、コールセンター向け自動応答音声などで活用できます。
趣味ではYouTube動画やオーディオブック制作、個人ラジオや自己学習用音声教材など、幅広く利用可能です。
他サービスとの連携可能性
生成音声は各種動画編集ソフトや配信プラットフォームへ簡単に組み込めます。
API連携も進んでいるため、プログラムを使った自動音声生成や大量作成など高度な用途にも対応しています。
生成AIを使った音声生成として、NotebookLMのAIポッドキャスト機能も非常に興味深いので下記の記事でチェックしてみてください。
使って分かったメリット・デメリット
私がSuno AIを使ってみて感じたメリット・デメリットについて紹介します。
メリット(良かった点)
誰でも簡単にプロ級の音声が作れること、自然なイントネーション、細かい調整機能、そして多言語対応が大きなメリットです。
作業スピードも速く、制作コストも抑えられます。
自分の好きな曲調の曲をどんどん生成できるので、一度ハマるとやめられないぐらいいい曲が生まれます。
試しに「Visual kei」と指定して、ヴィジュアル系っぽい楽曲を依頼してみました。
ちなみに、日本のヴィジュアル系を英語で表現する場合は「Visual kei」で伝わるそうです。(Suno AIに伝わっているかは不明です)
日本語ボーカルを指定しなかったので、英語男性ボーカルが採用されてしまいましたが、ヴィジュアル系っぽさはありますよね。
途中でカットしましたが、実際は4分近い曲を生成してくれています。
プレイリスト機能があるので、自分で生成した楽曲でアルバムを作ってみることも可能ですね。

生成した楽曲をDAWで編集させてより自分好みの曲に発展させるという使い方もありだと思います。
Suno AIは有料プランで生成したものは、商用利用が可能という点も重要です。
いろいろと賛否両論はあるかと思いますが、生成した楽曲を配信して販売する、ということもできます。
デメリット(気になった点)
細かいアクセントや感情のニュアンスを追求したい場合、一部制約を感じる場面がありました。
生成をどの程度失敗するかについてですが、Suno AIは1回で2曲が自動生成されるのですが、片方は変な曲が生成されることがありました。
特に日本語でプロンプトをしているせいか、そのプロンプトを自動生成する歌詞に採用してしまうことが多々あります。
とはいえ、それが偶然「シティ・ポップ♪」という小気味いい歌詞に生まれ変わってくれたので、偶然の産物として当たることもあるのです。
また、無料プランには音声生成回数や機能面で制限があるため、本格的に使うなら有料プランも検討が必要です。
音楽における著作権の問題
どの生成AIツールにもいえることですが、ベースにはオリジナルとなった学習モデルがあります。
Suno AIに関しても音楽生成をおこなうための、何らかのベースになったモデルがあると考えられます。
たとえば、「桑田佳祐のような声の人で音楽生成をして!」と依頼したい人がいた場合、そのモデルとして本当に桑田佳祐の声がサンプリングされていた場合は大丈夫なのでしょうか?(Suno AIで桑田佳祐っぽい声が生成できるかは不明です。あくまで想定です)
このあたりの音楽における、音色や声の利用は著作権や肖像権に関わってくる可能性があります。
Suno AIも過去にあまりにも有名な人の声に似ている音楽が生成されてしまって、問題点を指摘された、なんて情報がありました。
個人で楽しむ分では許容されることでも、何らかのものをサンプリングして生成されたもの販売するとなると賛否両論が起きるのはやむを得ないことでしょう。
このあたりの問題は、その他の生成AIツールを含めて大きな課題といえます。
生成した音楽やペルソナの公開に気をつける
Suno AIでは生成した楽曲をSuno内の他のユーザーに公開するかを設定できます。

上記の画像のように「Public」の部分がONになっていると、Suno内で楽曲が公開されます。
これはペルソナを保存する場合も同様です。
注意したいのは、ペルソナを保存する場合はデフォルトでPublicがONになっているので注意しましょう。

自分のお気に入りの声を他の人に取られたくない場合は、必ずOFFにしてください。
Suno AIの料金プラン
Suno AIは無料でも利用できる音楽AIツールですが、継続して使う場合は有料プランがおすすめです。
具体的な料金プランを確認しておきましょう。
Suno AIは3つのプランが用意されている
Suno AIの料金プランは、以下のようになっています。
- Free(無料プラン):月50クレジットまで利用可能。基本的な機能をお試しできます。
- Pro(有料プラン):月10ドル。月2000クレジット(約500曲)まで利用可能で、商用利用も許可されています。
- Premier(上位有料プラン):月30ドル。月 10,000クレジット(約2,000曲)まで利用可能。より多い音声生成が必要な場合に最適です。
各プランによって生成できる音声の数や商用利用の可否など、提供される機能や利用上限が異なります。
私はProプランを使っていますが、このプランでも1ヶ月で約500曲を生成することができます。
十分すぎるぐらいなので、最初の有料プランはプロプランから始めると良いでしょう。
ちなみに、現状だとプロプランとプレミアムプランの違いが弱いので、プラン内容が変更されていく可能性はあります。
Suno AIはどんな人におすすめ?
Suno AIの利用をおすすめる人について解説します。
私のような日常的に音楽を楽しむ人だけでなく、その他の分野の人も含めて、どういった方におすすめなのか確認していきましょう。
おすすめできるユーザー像
動画クリエイター、eラーニング教材制作者、オーディオブック制作者など、音声を活用したいすべての人におすすめです。
とくに短時間かつ低コストで高品質な音声を求める方には最適です。
また、私のように自分の好きな雰囲気の楽曲をどんどん生成して、マイワールドに浸かりたい方にもおすすめです!
効果的な活用アイデア
プレゼン・説明資料のナレーション、短編ラジオ制作、自作動画の声入れ、語学学習教材、電子書籍の朗読などさまざまなアイデアが考えられます。
日頃から自作の歌詞を考えている人も、Suno AIを使えば、自分の歌詞をAIに歌ってもらって楽曲にすることが可能になるのです。
用途に応じて話者や雰囲気を変えれば、さらに効果的な活用が期待できます。
まとめ
Suno AIは、誰でも手軽に本格的な音声を生成できる注目のサービスです。
今後もさらなる機能拡張、高精度化が期待され、音声生成の定番ツールとしてますます存在感を高めていくでしょう。
ビジネスにも趣味にも、今後も活用の幅が広がりそうです。
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この記事は私が書いたよ!
kumasan
さまざまな生成AIを楽しんでいます! 趣味はエレキギターということもあり、音楽系の生成AIにかなり注目しています。また、日常やビジネスで使える便利な生成AIツールや、新しく登場する生成AIにどんどんチャレンジ中! みなさんに生成AIの情報をお届けして、その便利さを伝えたいです!