- 2025年5月11日
生成AIと言えばChatGPTやGeminiが有名ですが、他にも同様のツールは多数存在します。
「人と同じものは使いたくない!」
そんな方にとっては、生成AIの王道といえるChatGPTやGemini以外のものを探したくなることもあるでしょう。
今回はそういったChatGPTやGeminiに似た生成AIツールとして、アリババグループ傘下の「Qwen Chat」について紹介します。
生成AIの新潮流:Qwen Chatとは?
最初にQwen Chatの概要を紹介します。
中国のアリババグループ傘下が開発した生成AIツール
近年の技術革新により、私たちの日常やビジネスシーンに生成AIが急速に浸透してきました。
中でもOpenAIのChatGPTは、その高い対話能力で一躍有名になり、多くの人が生成AIの可能性に触れるきっかけとなりました。
しかし、高性能な機能の多くは有料プランで提供されており、「無料でどこまで使えるのか」「他に無料で試せる高性能なAIはないのか」といった声も聞かれます。
そんな中、生成AIの新たな有力な選択肢として注目を集めているのが、中国の巨大テック企業、アリババグループが開発した大規模言語モデル(LLM)、「Qwen」(通義千問)シリーズの一つである「Qwen Chat」です。

アリババはクラウドサービスやEC事業で培った技術力を背景に、AI分野でも積極的な開発を進めており、Qwenはその戦略の中核を担っています。
ユーザーとの対話に特化
Qwen Chatは、Qwenシリーズの中でも特にユーザーとの対話に特化しており、Webブラウザから手軽にアクセスして無料で利用できる点が大きな特徴です。
これにより、多くの人が高性能な生成AIを手軽に試せるようになりました。

ChatGPTとの立ち位置を比較すると、ChatGPTには無料で利用できるGPT-3.5ベースのモデルと、より高性能なGPT-4を利用できる有料のChatGPT Plusプランがあります。
Qwen ChatのはChatGPTと同じく、モデルの選択が可能となっており、より精度の高いものを生成できるが、トークンの消費量が多くなるシステムのようでした。
そして、Qwen Chatは基本的に無料で提供されており、多くのユーザーが追加費用なしでその機能を利用できます。
この「無料」という点は、生成AIの利用を検討しているユーザーにとって非常に魅力的な選択肢となり得ます。
Qwen chatの使い方
Qwen Chatの使い方について解説します。
ログインして質問をすればOK
Qwen Chatは、公式サイトにアクセスして、GoogleアカウントやメールアドレスでログインすればOKです。
また、iOS版、Android版のアプリも用意されています。
あとは質問したいことを打ち込むだけで使えるので、初心者でも使い方は難しくありません。
基本的な操作感はChatGPTと同じ使い方でできる
Qwen Chatにログインするとわかることなのですが、基本的なUIはChatGPTと同じような見た目になっています。

通常の質問はもちろん、ドキュメント・画像・動画のアップロードが可能です。
Web開発や、画像生成なども可能でした。
テキスト要約機能や画像の解析、ブレインストーミングなど、幅広い機能が用意されており、単に生成AIに質問する以上のことができるのがわかります。
Qwen Chatの「深い思考」とは?
質問に対して「深い思考」というボタンがあるのが気になりました。

ボタンを押すと「思考の最大長を制御する」と表示されており、その下に「tokens」と表示されたのです。
おそらく、Qwen Chatは他の生成AI同様に1日に使えるトークンの量が決まっており、その制限に達しないように1回ずつのトークン消費量を制限する機能がついているようでした。
Qwen Chatの魅力と可能性
では、この無料で使えるQwen Chatは、具体的にどのような機能を持っているのでしょうか。
無料版でどこまでできる?
Qwen Chatの最大の魅力は、やはり「無料」でありながら多様な機能を備えている点にあります。
無料版のQwen Chatでは、以下のような主要な生成AI機能を試すことができます。
- テキスト生成: メール作成、ブログ記事の下書き、キャッチコピーの考案など、様々なスタイルの文章を生成できます。特定の条件やトーンを指定して文章を作成させることも可能です。
- 翻訳: 複数の言語に対応しており、文章の翻訳を行うことができます。ビジネス文書やメールの翻訳など、実用的な用途に活用できます。
- 要約: 長文の記事やレポートなどを短く分かりやすく要約してくれます。情報収集の効率化に役立ちます。
- コード生成: プログラミングに関する質問に答えたり、指定したプログラミング言語でコードスニペットを生成したりすることも可能です。プログラミング学習の補助や開発効率向上に繋がります。
- アイデア出し・ブレインストーミング: 新しい企画のアイデア出しや、特定のテーマに関するブレインストーミング相手としても活用できます。
- 質問応答: 一般的な知識に関する質問から、専門的な内容まで、幅広い質問に対して回答を生成します。
これらの機能は、ChatGPTの無料版(GPT-3.5)で利用できる機能と多くの部分で共通しています。
しかし、実際に使ってみると、生成されるテキストの質や応答速度などに違いが見られます。
特に日本語対応については、生成AIを選ぶ上で重要なポイントです。
Qwen Chatの日本語の精度や自然さは日々進化しており、多くの場面で違和感のない日本語を生成できるようになっています。

ただし、複雑なニュアンスを含む文章や、スラング、専門用語などによっては、まだ不自然な表現が見られる場合もあります。
実際に様々な種類の日本語テキストを生成させてみることで、その精度や自然さを検証することが重要です。

画像生成にもしっかりと対応しています。
無料版でありながら、これほど多様な機能を日本語である程度自然に利用できることは、Qwen Chatの大きな可能性と言えるでしょう。

無料で提供されているうちにいろいろ試しておきましょう!
3. ChatGPTとの徹底比較:無料版Qwen Chatの優位性と限界
無料で使える生成AIとして、多くの人が比較対象とするのはやはりChatGPTの無料版(GPT-3.5)でしょう。
ここでは、Qwen Chatの無料版とChatGPTの無料版を様々な観点から比較し、Qwen Chatの優位性と限界を探ります。
性能比較(応答速度、精度、知識量):
- 応答速度: Qwen Chatは比較的高速に応答を生成する傾向があります。ユーザーが多い時間帯やサーバー負荷によっては変動しますが、体感としてはChatGPT無料版と同等か、場合によっては速く感じられることもあります。
- 精度・知識量: 一般的な質問に対する回答精度は、両者とも高いレベルにあります。しかし、最新の情報に関する知識や、特定の専門分野に関する深い知識については、学習データの違いにより差が出る可能性があります。ChatGPT無料版はGPT-3.5ベースのため、知識がやや古い場合がありますが、Qwen Chatの学習データがどこまで最新の情報を含んでいるかは利用する上で注意が必要です。生成される情報が常に正しいとは限らないため、重要な情報は必ず複数の情報源で確認することが推奨されます。
- 文章の自然さ: 日本語の自然さについては、両者とも高いレベルに達していますが、前述の通り、複雑な表現やニュアンスにおいてQwen Chatが不自然な日本語を生成するケースもまだ見られます。ChatGPT無料版の方が、長年の利用データ蓄積により、より洗練された日本語を生成できる場面もあるかもしれません。
得意なタスク、不得意なタスクの違い:
一般的な文章作成や翻訳、要約といったタスクにおいては、両者とも高い能力を発揮します。
しかし、例えばプログラミングコードの生成やデバッグにおいては、学習データの特性によって得意な言語やフレームワークに違いが出る可能性があります。
また、特定の専門分野に関する深い議論や、微妙なニュアンスを読み取るようなタスクにおいては、モデルのアーキテクチャや学習方法の違いが影響するでしょう。
実際に様々なタスクを与えてみて、どちらがより適しているかを判断する必要があります。

このあたりはもう少し使い込んでみる必要がありそうです。
API連携や拡張性の比較:
現在のところ、Qwen Chatの無料版はWebブラウザからの利用が主であり、API連携による外部サービスとの連携や機能拡張の面では、広くAPIが提供されているChatGPT(特に有料版を含む)に比べて限定的と言えます。
ビジネスでのシステム連携や、独自のアプリケーション開発に生成AIを組み込みたい場合は、現時点ではChatGPTの方が選択肢が豊富かもしれません。
ただし、アリババグループはQwenシリーズのAPI提供も進めているため、今後の展開に注目が必要です。
4. ユーザーの声:実際に使ってみた評価と感想
実際にQwen Chatを使ってみたユーザーからは、様々な評価や感想が聞かれます。
SNSやレビューサイトでの声を見てみると、以下のような意見が多く見られます。
肯定的な意見:
- 「無料でこれだけ使えるのはすごい」
- 「応答速度が速い」
- 「日本語もかなり自然になった」
- 「文章作成やアイデア出しに十分使える」
- 「ChatGPTの無料版よりサクサク動く気がする」
否定的な意見・改善点:
- 「たまに不自然な日本語になることがある」
- 「情報の鮮度に疑問がある時がある」
- 「ChatGPTの方が馴染みがあって使いやすい」
- 「エラーが出たり、応答が途中で止まったりすることがある」
- 「セキュリティやプライバシーが少し心配」
これらのユーザーの声から見えてくるのは、Qwen Chatが無料でありながら多くの基本的な生成AIタスクをこなせるだけの性能を持っているという評価です。
特に、応答速度や一般的な文章生成能力については、好意的な意見が多く見られます。
一方で、日本語の完璧さや情報の信頼性、システム安定性など、改善を期待する声もあります。
これらの評価を踏まえると、Qwen Chatは以下のようなユーザーにおすすめできると言えるでしょう。
- 「まずは無料で生成AIを試してみたい」という初心者ユーザー。
- 文章作成、翻訳、要約など、基本的なタスクに生成AIを利用したいユーザー。
- ChatGPT以外の選択肢を試してみたいユーザー。
- 特定のタスクにおいて、Qwen Chatの方が良い結果を出せるか試してみたいユーザー。
ChatGPTの有料版のような高度な機能や、大規模なシステム連携を求めているユーザーにとっては、現時点では物足りなさを感じる部分があるかもしれません。
5. Qwen Chatの今後の展望と注意点
アリババグループは、Qwenシリーズを自社のクラウドサービスや様々な事業に組み込んでいく方針を打ち出しており、生成AI開発には今後も積極的に投資を行うと考えられます。
Qwen Chatもその中核の一つとして、今後機能の拡充や性能の向上が期待されます。
具体的には、より高度な対話能力、最新情報への対応強化、多言語対応の精度向上などが考えられます。
また、より高度な画像生成や音声認識・合成といったマルチモーダル対応が進む可能性もあります。
さらに、アリババエコシステムとの連携が深まることで、より便利な機能が追加されることも期待されます。
一方で、生成AIを利用する上での注意点も理解しておく必要があります。
- 情報の信頼性: 生成AIが生成する情報は、学習データに基づいたものであり、必ずしも常に正しいとは限りません。特に専門的な内容や最新の情報については、必ず別の情報源でファクトチェックを行う必要があります。
- プライバシーやセキュリティ: 個人情報や機密情報を入力する際には、情報漏洩のリスクがないとは言い切れません。利用規約を確認し、慎重に情報を扱うことが重要です。
- 無料利用の範囲: 現在無料で提供されている機能が、将来的に有料化される可能性もゼロではありません。利用規約の変更や公式からの発表に注意を払う必要があります。
まとめ
まとめとして、Qwen Chatは無料で利用できる強力な生成AIであり、ChatGPTの無料版と比較しても遜色のない、あるいは特定の面で優位性を持つ部分もあります。
基本的な文章作成や情報収集、アイデア出しといったタスクにおいては、十分にChatGPTの代替となりうる選択肢です。
もちろん、現時点では改善の余地がある部分や、ChatGPTの有料版が提供するような高度な機能には及ばない部分もあります。
しかし、アリババグループの積極的な開発姿勢を考慮すると、今後の進化によってさらに強力なツールになる可能性を秘めています。
結局のところ、Qwen ChatがあなたにとってChatGPTの代替となるかどうかは、あなたの利用目的や重視する点によって異なります。
- とにかく無料で様々な機能を試したい: Qwen Chatは非常に魅力的な選択肢です。
- 日本語の自然さや情報の信頼性を最優先したい: ChatGPTの無料版や、他の日本語に特化したAIと比較検討するのが良いでしょう。
- 特定の専門分野や高度なタスクに利用したい: 実際に両方を試してみて、どちらがより適しているか見極める必要があります。
- API連携や拡張性を重視する: 現時点ではChatGPTの方が優位性がありますが、Qwen Chatの今後の展開にも注目です。
Qwen Chatは、生成AIの世界に新たな風を吹き込む存在であり、無料で高性能なAIを利用できる機会を提供してくれます。
ぜひ一度ご自身で試してみて、その可能性と限界を体感し、あなたのニーズに合った最適なAIを見つけてください。
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この記事は私が書いたよ!
kumasan
さまざまな生成AIを楽しんでいます! 趣味はエレキギターということもあり、音楽系の生成AIにかなり注目しています。また、日常やビジネスで使える便利な生成AIツールや、新しく登場する生成AIにどんどんチャレンジ中! みなさんに生成AIの情報をお届けして、その便利さを伝えたいです!