結論を先に
模試で正答率50%という結果を受け取ってから、私が次にしたのは受け直すことではなく、自分専用の模擬試験アプリ「PEP PASSPORT」を作ることでした。生成AIパスポートとの違いを調べ直し、全6章310問を積み上げ、あえて派手にしないデザインを選んだ、その舞台裏をこの回で書き切ります。
この記事でわかること
- 生成AIパスポートとPEP検定、それぞれが何を問う試験なのかの違い
- PEP検定の受験料・試験時間・出題数・合格ラインなどの基本情報
- STUDY PASSPORTの開発経験がPEP PASSPORT作りにどう活きたか
- 見た目をあえて派手にしなかった理由
- 全6章310問が完成するまでの経緯と、連載を3話で区切った理由
模試で心が折れてから、始まったのはリベンジではなかった
前回、私はAI家庭教師に本番レベルの模試を作らせ、正答率50%という結果を受け取った。悔しかったのは事実だが、その直後にしたのは「もう一度同じやり方で解き直す」ことではなかった。
トークンの使用量を気にして頻繁に使うのをためらい、同じチャットで繰り返すうちにAIが前のやり取りを忘れ、答えの形式まで崩れていく。間違えた問題だけを後から解き直す仕組みもなく、自分がどこでつまずいているのかも曖昧なままだった。このやり方には、続けるための土台がなかった。
だから最初にしたのは、模試を作り直すことではなく、なぜこの方法では続けられないのかを書き出すことだった。答えは、前回書いたとおり三つある。トークンへの不安、AIの不安定さ、そして記録が残らないことだ。
生成AIパスポートとPEP検定、何が違うのかを調べ直した
道具を作る前に、まず作ろうとしている試験そのものを調べ直す必要があった。PEP検定は一般社団法人日本プロンプトエンジニアリング協会が実施する資格で、2025年4月に始まったばかりの新しい試験である。受験料は11,000円、試験時間60分、出題数100問、全国340箇所以上のテストセンターで受けるCBT形式、合格ラインは正答率70%。シラバスは2025年9月に7項目から6項目へ改定されており、AIと大規模言語モデルの基礎から、プロンプト設計、実務活用、カスタマイズ手法、倫理・リスク管理、AIエージェントまでの6章構成になっている。
すでに生成AIパスポートに合格していた身としては、この二つの違いを整理するところから始めなければならなかった。生成AIパスポートは生成AIをめぐる基礎知識や情報リテラシーを幅広く問う、いわば入口の資格である。一方のPEP検定は、プロンプトをどう設計し、実務でどう使うかという、より実践寄りのスキルを問う内容になっている。同じAI系の資格という括りで語られがちだが、聞かれていることの中身は別物だった。
この違いを自分の中で言葉にできたことで、作るべきものの輪郭も見えてきた。生成AIパスポートに合格した人が次はどの資格を受ければいいのかと迷ったときの選択肢として、PEP検定をきちんと置きたい。調べれば調べるほど、その役割は自分が作ろうとしているツールにも重なった。
STUDY PASSPORTを作った経験があったから、迷わず動けた
もっとも助けになったのは、この模試の前にすでにSTUDY PASSPORTという模擬試験アプリを一度作っていたことだった。一問ごとのデータ形式、正解を必ず先頭に置いて表示時にシャッフルする仕組み、公式資料を確認してからサンプル問題を作り、確認を経て本番分を一括で仕上げるという進め方。ゼロから考えることは、ほとんど残っていなかった。
同じ型にPEP検定の中身を流し込む作業として、6章310問を一つずつ積み上げていった。的外れな問題を作らないために、毎回公式のシラバスとPDF資料に立ち返る。すでに一度通した道だったからこそ、今回は回り道をせずに済んだ。
あえて派手にしなかったデザインの理由
見た目については、最初から一つだけ決めていたことがある。派手にしないことだ。
強い色使いや動きのあるデザインは、最初の一目には効果的でも、毎日何度も開き直す学習ツールとしては負担になる。長時間見ても、繰り返し見ても疲れない画面にしたかった。
STUDY PASSPORTとの違いを打ち出すことより、STUDY PASSPORTを使ったことがある人がそのまま迷わず使えることを優先した。操作に慣れる時間を、また一からやり直させたくなかった。その代わり、アイキャッチやLPの配色は黒とオレンジにして、遠目に見たときにSTUDY PASSPORTとは別物だと分かるようにしてある。使う場面の見た目と、見つけてもらうための見た目を、意図して分けたかたちになる。
気づけば全6章310問、あの日には見えていなかった景色
シラバスと数字だけを見て始めた作業だったが、終えてみれば全6章310問になっていた。当初は300問前後を想定していたが、章によって公式資料の分量に差があり、第4章は35問、第2章は90問というように、資料の厚みに合わせて章ごとに個別に確定させていった。
3ヶ月前、正答率50%の画面を前に座り込んでいたときには、ここまで作ることになるとは考えていなかった。あのときの不安だったトークンの消費量も、AIの不安定さによる崩れも、STUDY PASSPORTと同じ仕組みの上で動く自分のツールにはもう存在しない。間違えた問題だけを解き直すことも、弱点がどこにあるかを見返すことも、いつでも気軽にできるようになった。
あの日の50%に、伝えたいこと
この連載は、もともと三回で終わる予定ではなかった。最初の記事を書いたときは、模試を受けて、点数を公開して、そのまま勉強を続けていく連載にするつもりでいた。実際には、模試の結果が思わしくなかったことをきっかけに、勉強のやり方そのものを作り直すところまで話が進んでしまった。だから、ここでいったん区切りをつけることにする。
生成AIパスポートにすでに合格していて、次のAI系の資格を探している人には、PEP検定は選択肢の一つとして検討する価値があると思う。無料のお試し版で6問だけ解くこともできるので、まずはそこから覗いてみてほしい。
ちなみに、肝心の本番のPEP検定は、私自身はまだ受けていない。模擬試験の精度を上げることに気を取られている間に、受験の予約をすっかり後回しにしてしまっていた。これについては、また別の機会に書くことになると思う。
次に読んでおきたい本
PEP検定には、生成AIパスポートのような市販の公式テキストが存在しない。実施団体が学習資料をPDFで無料公開する方式を取っているためだが、体系立てて紙の本で読みたいという人には、公式資料と合わせて読める入門書を一冊挙げておく。
この記事のまとめ
- 模試で正答率50%だった経験から、勉強法そのものを作り直すことを決めた
- 生成AIパスポートとPEP検定は、問われている中身がそもそも違う資格である
- PEP検定は受験料11,000円、60分100問のCBT形式、合格ラインは正答率70%
- STUDY PASSPORTの開発経験を土台にしたことで、PEP PASSPORTは回り道せずに作れた
- デザインはあえて派手にせず、長く繰り返し使っても疲れない見た目を優先した
- 全6章310問が完成し、無料お試し版から試せる状態になった
- 連載はこの第3弾でいったん区切りとする
PEP PASSPORTを作るうえで一番苦労したのは、正直プログラムの部分ではなく、STUDY PASSPORTとの違いをどう説明するかでした。生成AIパスポートとPEP検定がそもそも何を問う試験なのか、試験内容や難易度、受験料、出題形式まで一つずつ調べ直して、生成AIパスポートに合格した人が次の資格として興味を持って、なおかつちゃんと学べる作りにしたかったんです。
STUDY PASSPORTを作った経験があったので、作るもののイメージ自体はすぐに湧きました。ただ、差別化を意識しすぎるのも違うと思っていて。STUDY PASSPORTを使ったことがある人にも、そのまま使いやすいものにしたかったので、見た目の作り込みはあえて抑えています。デザインが派手なものは最初は目を引くんですけど、学習ツールとして毎日繰り返し使うことを考えると、かえって邪魔になる部分もあって。長時間見ても、何度見ても負担にならないことを優先しました。
生成AIパスポートとPEP検定は、どちらを先に受けるべきですか。
どちらを先に受けなければならないという決まりはありませんが、生成AIパスポートが生成AIの基礎知識を幅広く問う入門的な資格であるのに対し、PEP検定はプロンプト設計や実務活用により踏み込んだ資格です。まず生成AIパスポートで基礎を固めてから、PEP検定でより実践的な内容に進むという順番が学びやすいと感じています。
PEP PASSPORTは無料で試せますか。
6問だけ解ける無料お試し版を用意しています。まずはお試し版で出題の雰囲気を確認してから、全310問収録の本番版を検討していただけます。
なぜSTUDY PASSPORTと似た仕組みにしたのですか。
STUDY PASSPORTで一度作って動かした問題データの形式や採点の仕組みをそのまま再利用しているためです。ゼロから作り直すのではなく、実績のある土台にPEP検定の内容を積み上げる形で開発しました。
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📌 本記事のファクトチェック・情報出典元
- PEP検定(プロンプトエンジニアリングパフォーマンス検定)公式サイト(一般社団法人日本プロンプトエンジニアリング協会)https://prompt.or.jp/pep
- PEP検定シラバス(2025年9月改定・全6章構成)に基づく