私は普段からエレキギターを弾くのが楽しみです。
お気に入りのアーティストの曲に合わせて弾く事が多く、ライブハウス自宅を楽しんでいます。
私と同じようにお気に入りのアーティストの曲に合わせて弾いたり、新曲の耳コピに励んでいる方も多いでしょう。
そんなときに、よく問題になるのが「ギターの音だけを聞きたい」ということです。
耳コピをするうえではできるだけギターの音だけが聞こえたほうがやりやすいです。
こういった問題を解決してくれるのが、AIによる音声分離が可能な音楽ツール「Moises」です。
Moisesがどういったツールなのか、使い方や登録法について解説します。
AI音楽ツール「Moises」とは?
まずは、AI音楽ツール「Moises」の概要から紹介します。
MoisesはAI技術を活用した音楽支援ツール
Moises(モイセス)は、AI技術を活用してボーカルや楽器の音を分離したり、テンポやキーを自在に調整できる音楽支援ツールです。
音楽練習や耳コピ、リミックス制作など、さまざまなシーンで活用できる高機能なプラットフォームになります。
Web版に加えてスマホアプリ(iOS・Android)でも使えるため、いつでもどこでも音楽編集が可能な点も注目のポイントといえるでしょう。
Moisesの主な機能と特徴
Moisesの主な機能と特徴について解説します。
ボーカル&楽器のAI分離
音源からボーカル、ドラム、ベース、ギターなどをAIが自動で分離。練習・分析・リミックスなどに活用できます。

上記はFreeプランの場合ですが、「ボーカル」、「ドラム」、「ベース」、「その他」の4つに分離されているのが確認できるとおもいます。
このその他にはギターの音が含まれており、それぞれの音量を変更したり、ミュートしたりすれば、聞きたいトラックだけを流すことができるのです。
テンポ変更&キー変更
テンポを遅くしても音質が保たれるため、練習や音源分析に最適。キーの変更も簡単に行え、自分の声や楽器に合わせられます。

難しいソロを弾けるようにするコツは、原曲のテンポを遅くして、繰り返し練習することです。
コード進行の自動表示
AIが楽曲のコード進行をリアルタイムで解析。耳コピの手助けや作曲の参考にもなります。
ループ&セクション再生
特定のフレーズだけを繰り返して練習できるループ機能を搭載。効率的な練習が可能です。
カラオケ作成やボーカル練習も簡単
ボーカルトラックを除去すれば、自分だけのインストゥルメンタル音源を簡単に作成できます。
Googleが提供している「NotebookLM」のAIポッドキャストを生成する機能については、下記で紹介していますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
Moisesの登録方法と使い方
Moisesの登録方法と使い方について紹介します。
Moisesの登録方法
Moisesは公式サイトにアクセスして、サインアップをすればすぐに使える音楽ツールです。

登録する場合、GoogleアカウントやX(旧:Twitter)、メールアドレスなどから登録できます。

登録方法が簡単ですぐに使えるようになる点は嬉しかったですね。
Moisesの使い方
Moisesの使い方はとても簡単です。
MoisesはWeb版に加えてスマホアプリ(iOS・Android)、デスクトップアプリが用意されているので、自分の使いやすいタイプを選んでください。

ツールを開くと上記のような画面が表示され、右上の「+新規作成」を選ぶと、音声を分離させたいファイルをアップロードできます。
アップロードが完了すると、トラックをどのように分離するかが表示されます。

Freeプランの場合は上記のような形で表示され、分離方法を選べないものにはロックマークがついています。
最初は「基本的な分離」で、「ボーカル」、「ドラム」、「ベース」、「その他」の4トラックに分離してくれるものを選んでみましょう。
右下にある「送信」のボタンを選ぶと、AIが音楽トラックを分離してくれます。
時間は曲の長さや構成の複雑さが関係するようですが、数分まてば変換されました。
各トラックの横についているダイヤルを上げ下げすることで、そのトラックの音量を変更できるので、ボーカル以外のものはすべて0にするか、「M」を押してミュートにしてみましょう。
この状態で再生ボタンを押すと、音声を分離させた曲のボーカルだけが聞こえてくるのを体験できると思います。
精度はかなり高く、他の楽器の音がちゃんと分離していることがわかります。
有料プランではさらに細かく分離できる
Moisesには有料プランが2つ用意されており、有料プランを使うことで、さらに細かくAIが音声を分離してくれます。

たとえば、上の画像のようにドラムであれば、「キックドラム」、「スネア」、「タム」、「ハイハット」、「シンバル」、「その他のドラム」に分離できます。
AIが分離させてくれたトラックはエクスポート可能
Moisesでは、AIが分離させてくれたトラックはエクスポート可能です。

エクスポートしたい場合は、右上にある「エクスポート」を選べばOKです。
各トラックごとはもちろん、すべてのトラックをエクスポート可能なので、必要に応じて使い分けてください。
リアルタイムでコードが表示されて耳コピにも大活躍
Moisesでは取り込んだ楽曲のコードもAIが分析してくれます。
コードは分析した曲の右下にリアルタイムで表示されるので、演奏しながらコードを確認できます。
この機能を活用すれば耳コピの効率化にもつながるでしょう。
音声変換機能やマスタリングに歌詞ライター機能も搭載(有料プラン向け)
有料プランの場合は、AIが音声を別の声に変えてくれる機能やマスタリング、そして歌詞ライター機能を利用できます。
たとえば、男性ボーカルの曲を女性ボーカルに変換することが可能です。
この機能を使えば、自分で歌った音声を変換して、ボーカルに厚みを持たせたり、コーラスとして被せることができます。

変換させるときはボーカルトラックだけをアップロードするのがポイントです。
楽器が入った音声を使ってしまうと、AIがその部分も歌声と勘違いし、変換したときに歌ってしまうことがあります。
つまり、Moisesを使って音声分離をおこなったボーカルトラックをエクスポートし、それをアップロードして音声変換させればOKというわけです。
歌詞ライターは、歌詞を考えるサポートをしてくれます。

作詞をしているときになかなか良い言葉が思いつかないときに活躍します。
類義語や対義語などを提示してくれたり、歌詞全体の雰囲気を選択しておけば、それに活用できることばを提示してくれます。
現在は英語のみの対応となっている点が残念ですが、今後日本語も対応してくれたら嬉しいですね。
DAWに使えるプラグイン機能も
Moisesで紹介した機能は、主要DAWにVSTプラグインとして使用できます。
音声分離させたボーカルをDAWにインポートしたり、録音したボーカルの音色の変換、高度なマスタリングが可能になります。
Moisesの料金プラン
Moisesは目的やレベルに応じて選べる3つのプランが用意されています。
料金プランによる大きな違いについて下記にまとめました。
Freeプラン(無料)
月間5ファイルまでアップロード可能
MP3形式でのダウンロード
ボーカル・ドラム・ベースなどの基本的な分離に対応
クラウド保存:3日間
初心者やライトユーザーにおすすめの入門プランです。
Premiumプラン(月額 .99 / 年額 .99)
アップロード数無制限
MP3およびWAV形式での高品質ダウンロード
全楽器のAI分離対応(ギター、ピアノ、ストリングスなど)
スマートメトロノーム、キー変更、コード解析など機能充実
クラウド保存:無制限
本格的に音楽制作や練習に取り組む方に最適な人気プランです。
Proプラン(月額 .99)
プレミアム機能に加え、ドラムの各パーツ(キック、スネアなど)も個別分離
最大180分までのファイル処理に対応(プレイヤーは20分まで)
Voice StudioやVSTプラグインとの連携
高解像度WAV(48kHz / 24bit)対応
商用利用やプロフェッショナルな制作現場向けの上位プランです。
割引クーポンが表示されることも
Moisesは割引クーポンが配布されることがあるので、それを活用すると下記の料金よりもさらに利用できます。

私が利用したときは、公式サイトにその日限定の「30%OFFクーポン」が表示されており、支払うときに自動で適用されました。
Moisesはこんな方におすすめ
Moisesをおすすめするのは、下記のような方です。
プロから趣味レベルまで幅広くおすすめ
Moisesはこんな方におすすめできるAIを使った音楽ツールです。
- 楽器練習に音源を活用したいギタリスト、ドラマー
- 自分の歌で練習したいボーカリスト
- リミックスやサンプリングを行うプロデューサー
- 音楽教育に取り入れたい講師や学生
音楽に携わるプロから個人まで、さまざまな人にとって有益な音楽ツールといえるでしょう。
同じAIを使った音声分離「Hit’n’Mix」と比較すると?
私は過去にこういったツールとして、イギリスの会社が提供している「Hit’n’Mix」というのを利用したことがあります。
Hit’n’MixとMoisesは基本的に同じ機能を搭載しており、初めて使ったときは楽曲をカラオケ化できることに驚きました。
Moisesと比較してHit’n’Mixは買い切りなので、その点は嬉しいですが、代わりに基本的に英語のUIなので注意したいところですね。
まとめ
AIを使った音声分離音楽ツールのMoisesについて紹介しました。
正直、ここまできれいに音声を分離できるとは思っていませんでした。

メインボーカルにどのようにコーラスを被せているかを聞く、なんて楽しみ方もできます。
耳コピに使えるのはもちろん、カラオケの練習にも使えます。
そして、DAWにVSTプラグインとしても使えるので、自分の音楽制作活動の幅を広げてくれます。
AIはビジネス関係だけでなく、こういった音楽の分野でも目まぐるしく成長しているので、今後も注目していきましょう。
この記事が気に入ったら
フォローをお願いします!
この記事は私が書いたよ!
kumasan
さまざまな生成AIを楽しんでいます! 趣味はエレキギターということもあり、音楽系の生成AIにかなり注目しています。また、日常やビジネスで使える便利な生成AIツールや、新しく登場する生成AIにどんどんチャレンジ中! みなさんに生成AIの情報をお届けして、その便利さを伝えたいです!