「今日の会議の議事録、誰が担当しますか?」
会議が終わるたびに、そんな言葉が重くのしかかっていませんか?
発言を聞き漏らさないように必死でペンを走らせ、録音データを聞き返しては内容を整理する。手作業での議事録作成は、時間も労力もかかり、ビジネスパーソンにとって大きな負担です。
しかし、もうそんな時代は終わりを迎えようとしています。
AI(人工知能)技術の進化によって、議事録作成のあり方が劇的に変わろうとしており、いままで時間や手間がかかっていた作業が大幅に効率化できるようになっているのです。
AIを使うことで議事録作成がどのように変化するのかについて解説します。
なぜ今、AI議事録なのか?
AI議事録が注目を集める背景には、現代のビジネス環境における以下のような課題があります。
会議時間の増加と効率化の必要性
働き方改革が叫ばれる中、会議時間の短縮と質の向上が求められています。議事録作成に時間を取られていては、本質的な議論に集中できません。

議事録を取ることに夢中になって、会議に集中できないのは大きな問題でした。
リモートワークの普及
オンライン会議が増加し、対面での議事録作成が困難になっています。
また、オンライン会議だからこそ、議事録の作成は重要といえるでしょう。
情報共有の重要性
議事録は会議内容の記録だけでなく、参加できなかったメンバーへの情報共有、後々の意思決定の重要な資料となります。

質の高い議事録が作成されていると、参加できなかったメンバーも情報を確認しやすく、今後のアイデア出しのヒントになることもあります。
これらの課題に対し、AI議事録は画期的な解決策を提供します。
AI議事録で何が変わる?
AIを活用した議事録作成は、私たちの働き方に以下のような変化をもたらします。
圧倒的な時間短縮
AIが音声をリアルタイムでテキスト化し、要約まで自動で行ってくれるため、手作業による議事録作成時間は大幅に削減されます。

正直、AIが作成してくれた議事録を確認して、その質の高さに驚かされました。ただ情報が記録されているだけでなく、より良い会議にするためのアドバイスをくれるAI議事録ツールまであるのです!
精度の向上と抜け漏れの防止
人間の手作業では起こりがちな聞き間違いや書き漏らしのリスクを減らし、より正確な議事録を作成できます。
AI議事録ツールは対面やオンライン会議など、さまざまな場所で室の高い議事録を作成してくれるのです。
会議への集中力向上
議事録作成に気を取られることなく、会議の内容に集中して積極的に議論に参加できます。
過去議事録の有効活用
AIによっては、過去の議事録をキーワード検索したり、特定のテーマに関する発言を抽出したりすることが容易になります。

AI議事録ツールを使うと、会議の要点をまとめてくれたり、キーワード検索がしやすくなります。話し合いをただ記録していた議事録が、AI議事録ツールを使うことでアイデアのヒントになる重要な資料に生まれ変わるのです。
コスト削減
議事録作成にかかる人件費や印刷コストなどを削減できます。
AI議事録ツールを使えば、会議終了後の数分後には話し合った内容をまとめた議事録が完成しているのです。
設定を使えば、完成した議事録を社内のメンバーに自動共有可能で、わざわざ印刷するような手間やコストを省けます。
代表的なAIを使った議事録ツール
それでは、AIを使った議事録ツールについて紹介します。
無料トライアルを用意している議事録ツールが多いので、一度使ってからその精度を確認してみることをおすすめします。
高精度な文字起こしに強み
作成される議事録の精度が高いものを望む場合は、下記のようなAIを使った議事録ツールを活用してみてください。
スマート書記
90%以上の高精度な文字起こしに加え、AIによる自動要約や要点抽出、話者識別などの機能が充実しています。Web会議と対面会議の両方に対応しています。
無料トライアルあり。
AmiVoice ScribeAssist
高精度な日本語音声認識に加え、専門用語の登録やChatGPTとの連携による要約機能も搭載しています。
セキュリティにも配慮されており、機密情報を扱う会議にも適しているタイプのAI議事録ツールです。
無料トライアルあり。
Rimo Voice
日本語に特化したAIエンジンを搭載し、自然な日本語での議事録作成が可能です。
動画ファイルのアップロードやWeb会議連携機能も備えています。
無料トライアルあり。
AutoMemo
ソースネクスト社のボイスレコーダー型のツールで、高精度な文字起こしが可能です。
録音データの管理や検索もスムーズに行えます。
多機能で効率的な議事録作成をサポート
AI議事録ツールの中には、ただ会議を記録してくれるだけでなく、それ自体が重要な資料になるようなまとめ方をしてくれるAI議事録ツールもあります。
AI議事録取れる君
高精度な文字起こしに加え、自動要約、話者識別、共同編集、翻訳などの機能があります。
無料プランと無料トライアルあり。
YOMEL
高精度な音声認識に加え、自動要約や議事録ビルダー機能で作成工数を削減します。
無料トライアルあり。
Notta
58ヶ国語に対応し、リアルタイム文字起こしや音声ファイルの文字起こしが可能です。
無料プランと有料プランがあります。
toruno
文字起こし、録音、画面キャプチャを同時に記録でき、重要な箇所をブックマークする機能もあります。
無料トライアルあり。
Web会議との連携に特化
テレワークが普及し、Web会議を活用する企業が増えました。
そういったWeb会議との連携に特化したAI議事録ツールを確認していきましょう。
ZMEETING
Zoom、Teams、Google Meetなどの主要なWeb会議ツールと連携し、高精度な文字起こしが可能です。
TL;DV
Zoom、Teams、Google Meetと連携し、リアルタイム文字起こしやAIによる会議メモ作成が可能です。
無料プランと有料プランがあります。

上記の画像は、私がTL;DVの無料プランを使って記録した会話の結果です。
会議はボタンを押せば録音・録画されて、会議終了後にメールで記録内容が送信されます。(自分でログインして記録内容を確認することも可能)
軽く一言話してみただけですが、誤字脱字がなく、きっちりと話した内容が記録されていました。
小規模や個人レベルであれば無料プランでもある程度は問題ないかと思います。
有料プランにすれば、より発言者が明確になり質の高い議事録が残せるので便利です。
無料で利用できるツール
小規模な企業や個人で使う場合は、無料のAI議事録ツールでも問題ありません。
また、AI議事録ツールを体験するうえでも、そういった無料で利用できるAI議事録ツールを活用してみることをおすすめします。
Googleドキュメント 音声入力
Googleドキュメントの機能で、リアルタイムに音声をテキストに変換できます。
下記の画像は、私が実際にGoogleドキュメントを作成し、Googleドキュメントの音声入力を使って作成したものです。

Googleドキュメントの音声入力の場合、「読点」や「句点」と言えば、「、」や「。」も音声で作成できます。
また、改行したい場合は「新しい行」といえば、改行も可能です。
議事録はもちろんですが、文字を打つのが面倒なときにメモがわりに音声入力をしてアイデアを記録しておく、なんて使い方も便利な使い方といえます。
Microsoft Teams
会議中の音声をリアルタイムで文字起こしする機能があります

ちなみに、skypeはサービスが終了となり、Teamsに移行されます。
CLOVA Note β (LINE WORKS AiNote)
毎月300分まで無料で利用できます(スマホアプリ版は無制限)。
ツールを選ぶ際のポイント
AI議事録ツールを選ぶ際のポイントについて紹介します。
私もいくつかのAI議事録ツールを使ってみましたが、下記のようなポイントを意識して選ぶと、目的にあったAI議事録ツールに出会えると思います。
文字起こしの精度
日本語の認識精度や専門用語への対応などを確認しましょう。
AI議事録ツールはそれぞれの分野に特化したものが用意されており、ビジネス向けのものであれば、ビジネス用語を多用しても、上手に文字起こししてくれます。
対応言語
多言語の会議が多い場合は、対応言語を確認しましょう。
連携機能
Web会議ツールや他のビジネスツールとの連携が可能か確認しましょう。
Web会議に対応しているAI議事録ツールを使えば、会議に参加すると自動でツールが会議内にbotのような形で参加し、会議の文字起こしをおこなってくれます。
料金プラン
無料プランや無料トライアルを活用し、自社の利用頻度や予算に合ったプランを選びましょう。
小規模企業向けから、大人数が参加する企業向けのプランなどが用意されています。

実際に利用しながら、必要に応じてプランを上げ下げすることをおすすめします。
その他の機能
自動要約、話者識別、編集機能、検索機能など、必要な機能が搭載されているか確認しましょう。
私がAI議事録ツールを使った上で、特に便利だと感じたのは自動要約です。
時間がないときでも要約した部分だけ確認しておけば、必要な情報が集まるのはとても便利でした。
この機能があるたけでも、AI議事録ツールを利用するメリットがあるといえます。
セキュリティ
情報漏洩対策がしっかりと行われているか確認しましょう。
多くの会議は企業秘密であり、データを記録するうえではセキュリティがしっかりとしているものを選びたいところです。
AI議事録の活用ステップ
AI議事録の導入は決して難しいものではありません。一般的な活用ステップは以下の通りです。
ツールの選定
音声認識精度、対応言語、連携機能、料金などを比較検討し、自社のニーズに合ったAI議事録ツールを選びます。
無料トライアルがあるツールも多いので、積極的に試してみるのがおすすめです。
会議の準備
選定したツールを会議前に設定します。多くのツールは、PCやスマートフォンアプリから簡単に利用できます。
事前に正しく記録されるかテストを行い、確認しておきましょう。
会議の実施
通常通り会議を行います。
会議が始まると、AIが音声を自動で録音・テキスト化します。
注意点として、社外の方と会議を行う際、議事録ツールを使って会議を記録しておくことを伝えるほうが後々のトラブルを防げます。

企業の中にはAIツールや会議を録音・録画することに抵抗を感じる方もいます。そのため、事前に一言断りをいれておくほうが安全といえます。
議事録の確認と編集
AIが作成したテキストデータを確認し、必要に応じて修正や加筆を行います。
多くのツールでは、話者認識機能により発言者が自動で記録されるため、編集作業もスムーズです。
共有と活用
完成した議事録を参加者や関係者に共有し、今後の業務に活用します。
AI議事録ツールの精度を高めるポイント
私がAI議事録ツールを使うときに気をつけているのは、誰が話しているかをわかりやすくすることです。
たとえば、「次は〇〇さん、報告をよろしくお願いします」と話者が変わったことをAIに伝えてあげるとより精度が上がる印象でした。
同様に、会議の議題が切り替わったことも明確に伝えてあげることをおすすめします。
たとえば、「では、先週までの報告は以上となります。続いて、今週の方針について確認していきましょう」といった形です。
こういったテクニックを活用すれば、AI議事録ツールが作成してくれた内容をのちほど修正する必要はほとんどなくなります。

AI議事録ツールは多少の誤字脱字が記録されることはありますが、かなり精度は高いです。特に自動要約やネクストアクションの提示などは会議内容をしっかりと認識して作成してくれている印象でした。
まとめ
AI議事録の導入は、単なる作業効率化に留まりません。
会議の質を高め、情報共有を円滑にし、ひいては組織全体の生産性向上に貢献します。
手打ちの議事録作成に費やしていた時間を、より創造的で戦略的な業務に充てることができるようになるでしょう。
あなたもAI議事録を活用して、もっとラクに、もっとスマートな会議を実現しませんか?
まずはいくつかのツールの無料プランや無料トライアルを試してみて、使いやすさや必要な機能が揃っているかなどを比較検討して、導入を進めてみましょう!
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この記事は私が書いたよ!
kumasan
さまざまな生成AIを楽しんでいます! 趣味はエレキギターということもあり、音楽系の生成AIにかなり注目しています。また、日常やビジネスで使える便利な生成AIツールや、新しく登場する生成AIにどんどんチャレンジ中! みなさんに生成AIの情報をお届けして、その便利さを伝えたいです!