結論を先に
MicrosoftがCopilot Studioの新機能として2025年4月に発表した「Computer use」は、2026年5月13日に正式リリース(GA:一般提供開始)されました。
OpenAIのCUA(Computer-Using Agent)とAnthropicのClaude Sonnet 4.5を選べる設計になり、Azure Key Vaultによる認証情報管理やMicrosoft Purviewの監査ログ、人間による確認プロセス(human-in-the-loop)を組み込んだ企業向け機能として提供されています。
この記事でわかること
- Computer useが2025年4月の発表時点でどんな機能だったか
- 2026年5月13日の正式リリース(GA)で何が変わったのか
- Computer useの具体的な活用例
- AnthropicのClaude自体が持つComputer use機能との関係
- 現時点でまだはっきりしていない点
生成AIが普及するなかで、Microsoftが2025年4月に発表したのが、Copilot Studio内で使える「Computer use」という機能でした。
発表当初はAIエージェントが自動でパソコンを操作してくれるという触れ込みで話題になったものの、当時はまだ試験的な公開ベータ版の段階でした。
あれから1年あまりが経った2026年、この機能はどうなったのでしょうか。発表当初の内容と、現在(2026年7月時点)までにわかっている続報をあわせて整理します。
Computer useとは?2025年4月にCopilot Studioが発表した新機能
Computer useは、AIエージェントがWebサイトやデスクトップアプリのGUIを直接操作してくれる機能です。
「Computer use」は、2025年4月15日(米国時間)にMicrosoftが発表したCopilot Studioの新機能です。Copilot Studioは、Microsoftが提供する生成AIプラットフォームの一部で、AIを使ったコンテンツ生成やプロセスのカスタマイズを行えるツールでした。
発表時点でのCopilot Studioには、主に次のような機能がありました。
- コンテンツ生成:文章や画像の作成、翻訳、編集
- ビジネスツールの統合:既存アプリ・サービスとの連携による業務プロセスの最適化
- カスタマイズ性:ニーズに合わせた設定・ワークフローの調整
そこに新機能として加わったのが、AIエージェントがWebサイトやデスクトップアプリケーションのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を直接操作してくれるComputer useでした。発表時点の具体的な機能は次のとおりです。
- GUIの直接操作:自然言語で指示するだけで、ボタンのクリック・メニューの選択・テキスト入力など画面上の操作を自動で実行
- API不要の自動化:API連携が難しい従来システムやWebブラウザ上の操作も自動化
- 複雑なUIへの対応:動的なインターフェースや頻繁に変わるWeb・アプリにも適応
画面認識でスクリーンショットから要素(ボタン・アイコンなど)を特定し、指定した座標にカーソルを移動してクリックしたり、テキストボックスへの入力やショートカットキーの送信を行ったりする点も、発表時から一貫している特徴です。
【2026年最新】Computer useは2026年5月13日に正式リリース(GA)されました
発表から約1年後の2026年5月13日、Computer useは試験段階を終えて正式リリース(GA)となりました。
Microsoft公式ブログによると、Computer useを使うAIエージェント(Computer-using agents)は2026年5月13日に一般提供が開始され、すべての商用Power Platformリージョンに展開されました。これにより、主要クラウド事業者の中でMicrosoftが初めて「実運用レベルのComputer use」に到達したと報じられています。
GA版で特に注目したいポイントは次の3つです。
- モデルを選べる:OpenAIのCUA(Computer-Using Agent)とAnthropicのClaude Sonnet 4.5を、用途に応じて選択できる設計になっている
- 企業向けのガバナンス:Azure Key Vaultによる認証情報の保護、Microsoft Purviewによる操作の監査ログ、人間が確認・承認するhuman-in-the-loopのレビュー体制が組み込まれている
- ワークフローへの組み込み:単発のタスク実行だけでなく、業務プロセス(ワークフロー)の一部として自動化を組み込めるようになった
つまり、2025年4月時点では「実装済とはいえ試験的な公開ベータ版の機能」だったComputer useは、1年ほどでミッションクリティカルな業務にも使える機能へと育ったことになります。
Computer useの活用例
Computer useは、次のような場面での活躍が想定されています。
大量のデータ入力の自動化
会計チームが請求書からデータを手作業で会計システムに入力する作業を効率化したい場合、Computer useが活躍します。請求書PDFを読み取って必要な情報を抽出し、会計ソフトの入力フォームに自動で転記するという使い方です。大量のデータ入力の自動化が実現できると、担当者の作業時間を大きく削減できると期待されています。
市場データの収集と分析
複数のWebサイトを巡回して価格や在庫状況などの市場データを収集し、まとめて分析するような作業も、GUI操作の自動化と相性が良い領域です。APIが用意されていないサイトからの情報収集にも対応できる点がComputer useの強みです。
カスタマーサポートの支援
社内の複数システムを横断して顧客情報を確認・入力するような、定型的だが手間のかかるサポート業務の下支えとしても活用が見込まれています。GA版で組み込まれた人間による確認プロセスと組み合わせることで、誤操作のリスクを抑えながら導入しやすくなっています。
Claude自体のComputer useとの関係は?
Claudeは、Anthropic社が開発し、自然言語処理を活用してさまざまなタスクを支援する生成AIで、テキスト生成や要約、データ解析やコード作成などができます。実は、Claude自体にもAnthropic発の「Computer use」機能があり、2025年時点ですでに実装・利用可能でした。
発表当初は、MicrosoftのComputer useとClaudeのComputer useは別々の競合機能という位置づけに見えました。しかし2026年5月のGAで判明したのは、Copilot Studioが選べるモデルの一つとして、まさにそのClaude Sonnet 4.5を採用したという点です。競合というより、実装レベルでの連携が進んだ形に近いと言えそうです。
Claudeの詳しい機能については、下記の記事もあわせてご覧ください。
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Claudeで何ができる?AIアシスタントの活用例を徹底解説
近年注目を集めるAIアシスタントの一つ、Claude(クロード)は、Anthropic社が開発する高性能な大規模言語モデルです。 人間のように自然な対話ができることを目指しており、特に長い文章の理解や ...
現時点でわかっていないこと・利用にあたっての注意点
Computer useはグローバルでGAとなった機能ですが、本稿の情報は英語圏の公式発表・海外メディアの報道をもとにまとめています。日本語UIでの細かな挙動、日本国内での料金体系・提供状況の詳細については、公式サイトでの最新情報を必ず確認してください。
また、AIエージェントが画面を直接操作する性質上、業務に組み込む際はhuman-in-the-loopのレビュー設定や権限管理を適切に行うことが前提になります。導入を検討する場合は、自社の情報システム部門とも連携しながら進めることをおすすめします。
この記事のまとめ
- Copilot StudioのComputer useは、2025年4月に試験的な機能として発表された
- 2026年5月13日に正式リリース(GA)となり、全商用Power Platformリージョンに展開された
- OpenAIのCUAとAnthropicのClaude Sonnet 4.5を選べる設計で、Azure Key Vault・Microsoft Purviewの監査・human-in-the-loopレビューを備える
- データ入力の自動化、市場データの収集、カスタマーサポート支援などでの活用が見込まれる
- 日本語UIでの挙動や国内の料金・提供状況は、公式サイトで最新情報を確認するのが確実
2025年4月にこの機能を初めて知ったときは「AIがパソコンを勝手に操作するなんて、すこし怖い気もするけれど未来的だな」と感じたのを覚えています。それから1年あまりでAzure Key Vaultやhuman-in-the-loopレビューまで備えた正式機能に育ったのを見ると、AIエージェントの実装がここまで速く実務レベルへ進むのかと、あらためて驚かされます。
Computer useのようなAIエージェント機能の仕組みをもっと理解したい方には、AIエージェント解説書も参考になります。
Copilot StudioのComputer useとは何ですか?
MicrosoftのCopilot Studioに搭載された機能で、AIエージェントがWebサイトやデスクトップアプリのGUI(画面)を人間のように直接操作(クリック・入力・スクロールなど)できる自動化機能です。
Computer useはいつ正式リリースされましたか?
2025年4月に試験的な機能として発表された後、2026年5月13日に正式リリース(GA:一般提供開始)となりました。
Computer useはどんなAIモデルを使っていますか?
OpenAIのCUA(Computer-Using Agent)と、AnthropicのClaude Sonnet 4.5を組み合わせて動作しており、用途に応じてモデルを選べる設計になっています。
Copilot StudioのComputer useと、Claude自体のComputer useは同じものですか?
別のサービスですが関係はあります。Claude自体にもAnthropic発のComputer use機能がありますが、Copilot StudioのGA版はそのClaude Sonnet 4.5をモデル選択肢の一つとして採用しています。
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出典
- Announcing new computer use in Microsoft Copilot Studio for UI automation(Microsoft公式ブログ・2025年4月発表)
- Computer-using agents in Microsoft Copilot Studio are now generally available(Microsoft Community Hub・2026年5月GA発表)
- What's new in Copilot Studio(Microsoft Learn公式ドキュメント)
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