結論を先に
生成AIパスポートのシラバスは、2027年2月試験から大きく変わります。AIエージェントを独立した章で扱い、シャドーAIやAIガバナンス、業務・業種ごとの実践例、AI出力の検証方法まで学ぶ構成です。使う場面を判断し、出力を確かめる力まで重視する改訂です。
この記事でわかること
- 新シラバスが適用される試験時期と章構成
- AIエージェントやリスク管理など、主な追加・拡充項目
- 公式テキストの予約・発送予定と発行元
- 初受験・再受験で変わる準備と教材の選び方
- 資格更新テストの対象者、費用、受講期間
この記事はこんな方におすすめ
- これから生成AIパスポートに初挑戦する方
- 以前不合格になり、2027年に再挑戦したい方
- 取得済みで資格更新テストとの違いを知りたい方
新シラバスは2027年2月試験から適用
今回の改訂は、2027年2月開催の試験から適用されます。GUGAが公開した新シラバスでは、5章構成を維持しながら、章の役割と学習内容を現在の生成AI活用に合わせて組み替えています。
新旧の章構成を比べると、旧第3章「現在の生成AIの動向」が「AIエージェント」として独立し、旧第4章「情報リテラシー・基本理念とAI社会原則」は「生成AIのリスク予防・AI倫理・ガバナンス」へと再編されました。旧第5章のプロンプト中心の内容も、業務や業種ごとの活用事例を含む「生成AIの実践と活用事例」に広がっています。
| 章 | 旧シラバス(2026年10月試験まで) | 新シラバス(2027年2月試験から) |
|---|---|---|
| 第1章 | AI(人工知能) | AIの基礎と歴史 |
| 第2章 | 生成AI(ジェネレーティブAI) | 生成AI |
| 第3章 | 現在の生成AIの動向 | AIエージェント |
| 第4章 | 情報リテラシー・基本理念とAI社会原則 | 生成AIのリスク予防・AI倫理・ガバナンス |
| 第5章 | テキスト生成AIのプロンプト制作と実例 | 生成AIの実践と活用事例 |
改訂ポイント1:AIエージェントの仕組みとリスクを独立して学ぶ
AIエージェントが独立した第3章になり、計画・ツール利用・作業の実行まで扱います。新第3章では、従来の対話型生成AIとの違いや、自律性のレベル、Human-in-the-Loop(人間が途中で確認・介入する仕組み)を学習項目に含めています。
技術面では、RAGの基本と発展形、MCPによる外部ツール連携に加え、コンテキストエンジニアリング、Agent Skills、マルチエージェントなどが並びます。コーディングエージェント、ブラウザ操作、リサーチや業務自動化といった活用例も対象です。
安全面も独立しており、権限の過剰付与、エラーの連鎖、プロンプトインジェクションなどのリスクと、最小権限・サンドボックス・多層防御、評価や継続監視の考え方を扱います。エージェントに何を任せるかだけでなく、どの範囲の権限を与え、どこで人が確認するかが学習の焦点になります。
改訂ポイント2:利用者の判断と組織のガバナンスを拡充
新第4章は、リスクの知識に加えて「使うかどうかを判断し、結果に責任を持つ」姿勢を前面に出しています。AIの出力を鵜呑みにせず、一次情報や専門家にあたり、用途と影響度に応じて確認する考え方が明記されています。状況によっては、AIを使わない判断も学習対象です。
リスクの項目には、情報漏えい、個人情報や著作権の侵害、偏見、ディープフェイク、詐欺やサイバー攻撃への悪用などが含まれます。さらに、会社の承認を得ずに個人アカウントや未承認ツールを業務で使う「シャドーAI」を取り上げ、従業員と組織それぞれの役割を整理します。
組織向けには、利用ガイドラインの項目、ツール選定、入力できる情報の区分、申請・承認の流れ、ログやインシデントへの対応などを扱います。AI法や国際ルール、安全保障、国産AI・AI人材も含まれ、個人の使い方から組織の運用までをつなぐ構成です。
また、AI出力の評価・検証では、事実や数値、出典の確認だけでなく、前提や論理、抜け漏れ、表現、権利や機密情報への配慮を確認します。結果をそのまま採用するのか、修正するのか、破棄するのか、専門家に確認するのかを判断する内容も盛り込まれています。
改訂ポイント3:業務別・業種別の活用事例を追加
新第5章では、仕事の場面ごとの使い方を学びます。文書作成や要約、議事録、翻訳に加え、企画・マーケティング、クリエイティブ制作、データ分析・リサーチ、開発・業務自動化が取り上げられています。
たとえば、マーケティングでは企画の壁打ちや市場調査、SNS投稿、ランディングページ作成、データ分析では表の集計・可視化、大量文書からの情報抽出、定例レポートの自動化などです。開発領域には、コーディングエージェントによるコード調査やリファクタリング、複数ツールを使う業務自動化が含まれます。
業種別の事例も加わり、業界ごとの事情だけでなく、機密性や規制への対応、安全性、専門家の確認といった共通の成功条件を学ぶ構成です。個別のツール操作の試験というより、各場面でAIをどう使い、どこを確かめるかを理解することが重視されています。
公式テキストは翔泳社から発行、11月24日から順次発送予定
改訂版公式テキストの予約販売は2026年10月1日に始まり、予約分は11月24日から順次発送予定です。本改訂版から発行元が株式会社翔泳社となり、全国の書店やオンライン書店でも購入できるようになります。シラバスの決定・公開とテキストの執筆は、引き続きGUGAが行うと案内されています。
書名は「AXリテラシー教科書 生成AIパスポート 公式テキスト 2027年試験シラバス対応」です。価格や販売ページの詳細は、翔泳社のプレスリリースで確認できます。
有資格者向けに資格更新テストも実施
資格更新テストは、すでに生成AIパスポートを取得した人向けです。改訂内容を学び、合格後に新しいオープンバッジを取得できる任意の機会です。更新テストを受けなくても、取得済み資格が失効することはありません。資格自体は無期限です。
| 対象 | 生成AIパスポート有資格者 |
|---|---|
| 受講形式 | eラーニング+IBT方式のチェックテスト |
| 内容 | 動画視聴約3時間、チェックテスト10問(制限時間15分) |
| 受講料 | 一般6,600円(税込)、学生3,300円(税込) |
| 受講開始 | 2027年2月1日 0:00 |
| 申込期間 | 2026年10月1日 0:00〜2027年5月31日 23:59 |
| 受講可能期間 | 受講ID発行日から30日間 |
受講IDは申込日の翌週、1〜2営業日以内に発行予定です。申込方法は有資格者へ順次メールで案内されるとのことです。日程や条件は変更される可能性もあるため、申込前にGUGAの案内メールと公式情報を確認してください。
初受験・再受験で何が変わる?
初めて受ける人も、過去に不合格となって再挑戦する人も、2027年2月以降の通常試験では新シラバスが出題範囲です。「資格更新テスト」はすでに合格した有資格者向けで、不合格者の再受験には使えません。まず受験回を決め、対象のシラバスを確認しましょう。
GUGAの年間予定では、2026年10月試験の申込は9月30日まで。10月試験へ申し込み済みなら旧シラバスで受験します。2026年10月1日現在、これから申し込む場合の次回は2027年2月試験で、申込期間は2027年1月31日までの予定です。日程は変更される場合があるため、公式の試験案内で確認してください。
| あなたの状況 | 適用される範囲・次の行動 |
|---|---|
| 2026年10月試験に申込済み | 旧シラバス。手元の教材が2026年10月試験向けか確認する |
| これから初めて申し込む | 2027年2月以降は新シラバス。新しい公式テキストとシラバスで5章を一通り学ぶ |
| 以前不合格で再挑戦する | 2027年2月以降の通常試験を再受験。旧教材で基礎を復習し、新旧シラバスの差分と前回の弱点を補う |
| すでに合格している | 資格は無期限。希望者は有資格者向けの資格更新テストで改訂内容を学ぶ |
初めて受ける人:新シラバスの5章を順に押さえる
最初に新シラバスを確認し、受験する回に対応した公式テキストを選びます。第1・2章でAIと生成AIの基礎を学んだうえで、第3章のAIエージェント、第4章のリスク・倫理・ガバナンス、第5章の業務での活用へ進むと、用語と利用場面を結び付けやすくなります。問題演習では正誤だけでなく、なぜその判断になるかをシラバスの項目に戻って確認しましょう。
知識を入れたら、問題を解いて理解を確かめることも大切です。当サイトのWeb模擬試験アプリ「STUDY-PASSPORT」は2027年2月試験からの新シラバスに対応し、5章の通常演習328問を収録しています。旧版75問は別枠のアーカイブに分け、通常演習には含めません。60問60分の時間演習や章別復習も利用できます。GUGA公式教材ではないため、新範囲の学習は公式シラバスと改訂版公式テキストを軸にし、アプリは理解を確かめる演習に活用してください。STUDY-PASSPORTの製品案内で更新内容を確認できます。
再挑戦する人:前回の弱点と改訂箇所を重ねて学ぶ
旧版で学んだAIの基礎や生成AIの仕組みは復習に使えます。ただし、第1・2章も整理・更新されているため、旧教材だけで2027年2月以降の範囲を網羅したとは考えない方がよいでしょう。新旧シラバスの対応表を見ながら、①前回理解が曖昧だった基礎、②独立した第3章のAIエージェント、③拡充された第4章のリスクと判断、④第5章の実務活用・出力検証を点検してください。前回の誤答メモがあれば、その項目を優先して学び直せます。
今回の改訂では、用語の暗記だけでなく、実際の利用場面で「誰が最終判断するか」「どの情報を検証するか」「AIエージェントにどの権限を与えるか」を考えることが大切です。ただし、GUGAは新試験の章別出題数や難易度の変化を公表していません。特定の新項目だけに絞らず、全章を対象に準備しましょう。
前回は時間配分や演習量が課題だった方には、本番形式で解いて弱点を可視化する練習が役立ちます。2027年版のSTUDY-PASSPORTは新シラバスの5章に沿って問題を再分類し、AIエージェントやリスク対策、実務活用などの新規問題も加えました。製品案内で対応範囲を確認し、公式テキストと併用してください。運営者が一度不合格から合格に至った経緯はSTUDY-PASSPORTの開発記事でも紹介しています。
よくある質問
新しいシラバスはいつから適用されますか?
2027年2月開催の試験から適用されます。2026年10月試験までは旧シラバスです。
すでに取得した資格は失効しますか?
いいえ。資格更新テストを受講しなくても、取得済みの資格は無期限です。更新テストの合格者には、新しいオープンバッジが発行されます。
新しいシラバスでAIエージェントはどのように扱われますか?
第3章として独立し、エージェントの仕組み、RAGやMCPなどの外部連携、活用事例、権限管理やプロンプトインジェクションなどのリスク、安全性と評価を学びます。
まとめ
この記事のまとめ
- 2027年2月試験から新シラバスが適用。2026年10月試験までは旧版
- 初受験なら新しい5章を通して学び、再受験なら前回の弱点と新旧の差分を補う
- 不合格後の再挑戦は通常試験。資格更新テストは合格済みの人向け
- STUDY-PASSPORTは2027年版の通常演習328問に更新済み。旧版75問は別枠。公式テキストと併用して演習に使う
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試験全体の概要や当サイトの対策記事を探すなら、生成AIパスポート完全ガイドが入口です。受験回に合う情報を選ぶため、過去記事の日付と教材の対応版も確認してください。
再挑戦する方には、運営者自身の不合格経験と勉強の立て直しをまとめた不合格からの立て直しガイドも参考になります。この記事は2026年時点の経験をもとにしているため、2027年以降の出題範囲は本記事の新シラバス情報と併せて確認してください。
出典
生成AIパスポート試験シラバス(2027年2月試験より適用)|GUGA
生成AIパスポート試験公式サイト|GUGA
公式テキスト発行元変更のお知らせ|GUGA
改訂版公式テキストのプレスリリース|翔泳社