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生成AIパスポートの「団体受験」とは?企業のAIリテラシー研修に組み込む理由と申込みの実務【2026年版】

結論を先に

生成AIパスポートには、企業・団体単位で申し込める「団体受験」という制度があります。GUGA会員企業なら人数の下限なく受験費用が20%割引、非会員企業でも10名以上で10%割引です。IT企業のCLINKS株式会社は全社員1,288名を対象にこの制度を使い、654名を合格させるプロジェクトに約2,500万円を投じました。2026年に受験者数が4.3倍に急増した背景には、こうした企業単位の動きがあります。なお、2026年8月1日には団体受験の申込・支払い方法がリニューアルされ、受験希望者個人が費用を負担する「個別払い」や学割適用型にも対応しました。

この記事でわかること

  • 団体受験と個人受験の違い・割引率
  • 企業がいま生成AIパスポートに社員を送り込んでいる背景
  • CLINKS株式会社の全社員取得プロジェクトの実例
  • 団体受験を申し込む実務フロー
  • 2026年8月のリニューアルで何が変わったか(個別払い・学割適用型など)
  • 研修に組み込む際に必要な演習環境の考え方

団体受験は、個人受験と何が違うのか

団体受験は、試験内容そのものではなく、申し込みと支払いの単位が企業・団体になる制度です。

GUGA公式サイトの説明によれば、団体受験とは受験希望者の申し込み・支払いを一括で管理できる申込方法で、請求書での支払いにも対応しています。試験時間・問題数・出題範囲・合格基準はすべて個人受験と共通で、変わるのは手続きの窓口だけです。

費用面の違いは次の通りです。

申し込み区分条件割引
個人受験制限なし割引なし(一般11,000円・学生5,500円)
団体受験(GUGA会員企業)人数の下限なし受験費用・公式テキストともに20%割引
団体受験(非会員企業)10名以上受験費用・公式テキストともに10%割引

10名以上まとめて受験させる企業であれば、テキスト代を含めた実質的な負担は1割前後軽くなる計算になります。ただし、この割引は主目的ではない点に注意が必要です。企業が団体受験を選ぶ本当の理由は、次の背景にあります。

2026年8月1日、団体受験の申込・支払い方法がリニューアル

2026年8月1日、GUGAは団体受験の申込・支払い方法をリニューアルしました。受験希望者個人が費用を負担する「個別払い」や、学割適用型の団体受験にも対応しています。

本リニューアルは2026年10月 生成AIパスポート試験の申し込みから対象です。主な変更点は次の3つです。

  • 受験申込手続きの負担軽減:各社に発行される専用の受験申込URLから、受験希望者個人が直接申込できるようになりました。上限人数の設定も可能です(従来どおり、担当者が事前に情報を把握してまとめて申し込む方法も選択できます)
  • 受験費用の「個別払い」拡充:従来は企業が費用を負担する「一括払い」のみでしたが、受験希望者個人が費用を負担する「個別払い」も選択可能になりました。「受験時は個人が支払い、合格後に経費精算」といった運用にも対応します(非会員企業は引き続き一括払いのみ)
  • 学割適用型の団体受験に対応:学生・内定者・インターン向けに、学生割引を適用した受験申込URLが発行されるようになりました(一般個人会員を除く全会員種別が対象。非会員企業にも学生割引URLは発行されますが、一括払いのみです)

公式発表では、活用イメージとして次の4パターンが紹介されています。

活用例設定運用イメージ
全社展開型個人が申込/組織が費用負担/上限人数なし社内ポータルに受験申込URLを常設し、希望者が随時申込。費用は企業が一括で支払う
対象者限定型個人が申込/組織が費用負担/上限人数あり新卒社員20名を上限に設定し、研修中に申込URLを展開。費用は企業が一括で支払う
合格後精算型個人が申込/個人が費用負担/上限人数なし希望者が随時申込み、個人が費用を個別に支払うが、資格取得後に経費精算を行う
学割適用型個人が申込/個人が費用負担/学生用URLを配布学生割引が適用される期間内に希望者が申込み、個人が費用を個別に支払うが、入社後に経費精算を行う

次回の2026年10月 生成AIパスポート試験は、受験費用11,000円(学生は5,500円)、申込期間は2026年8月1日〜9月30日、受験期間は2026年10月1日〜10月31日です。個別払い・学割適用型を使う場合も、この申込期間内に手続きを済ませる必要があります。

なぜ、いま企業が生成AIパスポートに社員を送り込んでいるのか

個人の資格取得ブームというより、企業側がAI活用のガイドラインを社員全員の「共通言語」にしたいという要請が先に立っています。

生成AIパスポートの出題範囲には、AIの基礎知識や活用事例だけでなく、個人情報保護・著作権侵害・商用利用可否といった企業のコンプライアンスに直結する項目が含まれます。2025年6月に公布されたAI新法や、プロンプトインジェクション、AIバイアスといった項目も新シラバスで扱われており、これは「使い方」ではなく「使わせ方」を管理する側にとって重要な知識になります。

受験者数は2025年2月試験の6,590名から2026年2月試験は28,415名へと、1年で約4.3倍に増えています。個人が思い立って受ける数の伸びとしては説明がつきにくく、企業がまとまった人数を送り込んでいる動きと符合します。GUGAが2026年から試験の開催回数を年3回(2月・6月・10月)から年5回(2月・4月・6月・8月・10月)に拡大したのも、この団体側のニーズを踏まえた対応と見られます。

余談ですが、この記事の裏取り中にGUGA公式サイトの試験概要ページを確認したところ、「年間スケジュール(全3回)」という表記がまだ残っていました。一瞬「年5回になったはずでは」と迷いましたが、ニュース記事で最新の開催結果を確認すると、すでに4月・8月開催分が実施済みであることが分かりました。公式ページの更新が追いついていないだけのようです。

全社員取得プロジェクトの実例

実際に全社員での取得を掲げた企業では、受験料の会社負担と合格一時金という金銭的なインセンティブが、参加率を左右する要因になっていました。

IT企業のCLINKS株式会社は、社員1,288名を対象に生成AIパスポートの全社取得プロジェクトを進めており、同社コラムの取材記事によれば654名が合格しています(2024年9月時点)。エンジニアだけでなくバックオフィスを含めた全社員が対象で、プロジェクト責任者はインタビューの中で次のように語っています。

受験時には研修部署が真っ先に受験し情報共有を行うだけでなく、出題された問題を社内の学習管理システムに反映させるなどして、少しでも実際の問題に近い問題集を提供できるように準備をしました。

CLINKS株式会社 研修部署 次長(同社コラムより)

取得は強制ではなく、受験料の全額会社負担と合格時の一時金支給(総額約1万円)というインセンティブで参加意欲を引き出す設計にしています。

CLINKSの取り組みまとめ


・対象:全社員1,288名(エンジニア・バックオフィス含む)
・合格者数:654名(2024年9月時点)
・投資額:2,500万円以上
・インセンティブ:受験料全額会社負担(合格の場合)、合格時に総額約1万円のお祝い金
・取得は強制ではなく、参加意欲を引き出す設計

この事例が示しているのは、団体受験の割引率そのものよりも、団体受験を起点にした「研修設計」の部分です。テキストを配って受けさせるだけでは合格率は上がらず、CLINKSも独自の研修動画や問題集を内製した上でようやく5割超の合格率を達成しています。

団体受験を申し込む実務フロー

担当者がまず決めるべきは、自社がGUGA会員になるかどうかで、これによって申し込み可能な人数の下限が変わります。

GUGA会員企業になるかを検討する

会員企業(一般個人会員を除く)は人数の下限なく20%割引で申し込めます。10名に満たない少人数でまず試したい部署であれば、会員登録を先に検討する価値があります。

対象人数と受験期間を確認して申し込む

非会員のまま進める場合は10名以上をまとめて申し込む必要があります。年5回に増えた開催スケジュールと申込期間を確認し、対象社員へ早めに周知しておきます。

支払いと研修設計を決める

請求書での一括支払いのほか、2026年8月のリニューアルにより受験希望者個人が費用を負担する「個別払い」も選べるようになりました。まず自社の運用(一括か個別か、合格後精算にするか)を決め、あわせて受験料の会社負担や合格一時金といったインセンティブ、研修動画・演習環境の準備も同時に検討します。

申し込みの詳細な条件や最新の年間スケジュールは、参考情報としてGUGAの団体受験専用ページで確認してください。年5回開催になったことで申し込み期間・受験期間の区切りも変わっているため、社内周知のタイミングは事前に公式情報で確認しておきたいところです。

研修として設計するなら、本番形式の演習環境が要る

公式テキストを読ませるだけの研修は、CLINKSの事例でも不十分だったことが示唆されています。

生成AIパスポートは60分で60問を解く形式であり、知識があっても時間配分に慣れていないと本番で取りこぼします。CLINKSが講師陣を率先して受験させ、出題内容を社内の学習管理システムにフィードバックしていたのも、この「本番慣れ」を組織的に作るためでした。

本番形式に慣れていないだけで数問を落とすのはもったいないものです。60分60問で演習できる環境を研修の最終ステップに用意しておくと、こうした取りこぼしを防ぎやすくなります。

筆者自身、一度不合格になった経験をもとに、本番と同じ60分60問形式で演習できるWeb模擬試験アプリ「STUDY PASSPORT」を作りました。2026年2月のシラバス改訂に合わせて収録問題を320問に更新しており、個人の試験対策だけでなく、社内研修の最終ステップとして使ってもらえる作りにしています。全社員分のアカウントをまとめて用意する運用までは想定していませんが、まずは研修担当者自身が使い勝手を確認してみるところから検討してもらえたらと思います。

STUDY PASSPORTの詳細はこちらのページで確認できます。

まとめ

この記事のまとめ

  • 団体受験は申し込みと支払いの単位が変わるだけで、試験内容は個人受験と同じ
  • GUGA会員企業は人数の下限なく20%割引、非会員企業は10名以上で10%割引
  • CLINKS株式会社は全社員1,288名を対象に654名を合格させ、投資額は2,500万円超
  • 受験者数が2026年に4.3倍急増した背景には、企業単位の動きが重なっている
  • 研修として設計するなら、本番形式(60分60問)で演習できる環境の用意が効果的

団体受験の詳細な申し込み条件は、GUGA公式サイトの団体受験ページで確認できます。自分の部署やチームで導入を検討している方は、まず会員登録の要否と対象人数の整理から始めてみてください。

nekosan
nekosan

これまで生成AIパスポート関連では、個人の合格・不合格の体験談を中心に書いてきました。今回、企業の団体受験について調べてみて意外だったのは、CLINKSさんの事例で「全社員取得」を掲げながらも取得を強制にせず、インセンティブ設計で参加意欲を引き出そうとしていた点です。資格取得を目的化せず、あくまで業務でAIを使いこなすための土台として位置づけているのが伝わってきました。自分の部署やチームで団体受験を検討している方の参考になれば嬉しいです。

よくある質問

団体受験の対象範囲を社内で正しく共有するには、公式テキストを研修担当者が一冊持っておくと説明がスムーズです。


生成AIパスポートの団体受験と個人受験、受験料はどれくらい違いますか?

個人受験は一般11,000円(税込)、学生5,500円(税込)です。団体受験の場合、GUGA会員企業(一般個人会員を除く)は人数の下限なく申し込め、受験費用・公式テキスト購入費用ともに20%割引になります。非会員企業でも10名以上の申し込みで10%割引が適用されます。

団体受験は何名から申し込めますか?

GUGA会員企業(一般個人会員を除く)は人数の下限なく申し込めます。非会員企業の場合は10名以上からの申し込みが条件です。

団体受験でも試験内容や難易度は個人受験と同じですか?

同じです。出題範囲・試験形式(60分60問のIBT方式)に違いはなく、申し込みと支払いを企業単位でまとめられる点だけが個人受験と異なります。

全社員に生成AIパスポートを取得させる場合、何を準備すればいいですか?

IT企業のCLINKSの事例では、公式テキストをベースにした社内研修動画の制作、受験料の会社負担、合格者への一時金支給といったインセンティブ設計が有効でした。加えて、本番形式(60分60問)で演習できる模擬試験環境を用意しておくと、知識のインプットと本番対応力の両方を底上げできます。

団体受験の支払い方法は最近変わりましたか?

はい。2026年8月1日のリニューアルにより、従来の企業一括払いに加えて、受験希望者個人が費用を負担する「個別払い」が選べるようになりました。あわせて、学生・内定者向けに学生割引を適用した受験申込URLを発行する「学割適用型」の団体受験にも対応しています(本リニューアルは2026年10月生成AIパスポート試験の申込分から対象です)。

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本記事は、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)公式サイト(https://guga.or.jp/outline/、https://guga.or.jp/group-exam/)、CLINKS株式会社コラム「【現在654名が合格】生成AIパスポート全社員取得に向けての取り組み」(https://www.clinks.jp/column/staff01_interview/1845/)、およびGUGAが2026年8月1日に発表したプレスリリース「生成AIパスポート、団体受験の申込・支払方法をリニューアル」の情報をもとに作成しています。最新の申し込み条件は、GUGA公式サイトでご確認ください。

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