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“泣く・笑う・拗ねる”AIキャラと会話できる!感情特化型LLM「Geppetto」とは?

Geppettoとは? “感情”を理解する日本発LLMの登場

日本発の生成AI企業SpiralAIは、2025年4月、感情特化型の独自LLM(大規模言語モデル)「Geppetto(ゼペット)」を発表しました。このモデルの最大の特徴は、「知識」や「論理性」ではなく、「愛嬌」や「感情のゆらぎ」を重視している点です。

Geppettoという名称は、童話『ピノキオ』で木の人形に命を吹き込んだ“ゼペット”じいさんに由来しています。SpiralAIが目指したのは、まるで人と話しているかのような温もりあるAI体験です。会話の中で“泣く・笑う・拗ねる”といった感情を自然に表現する、これまでにない対話型AIです。

泣いたり笑ったりするAIキャラ『HAPPY RAT』の魅力

Geppettoを実装した最初のアプリケーションが、会話型友だちAIアプリ『HAPPY RAT(ハッピーラット)』です。このアプリでは、動物をモチーフにした10体の個性豊かなAIキャラクターと会話できます。

キャラはそれぞれ、感情のこもったトーンや間、リアクションを使って話しかけてきます。たとえば「今日はちょっと疲れたかも…」とユーザーが打ち明ければ、「えっ…そ、それって…大丈夫?(戸惑う表情)」と反応するなど、感情のキャッチボールが成立します。

アプリは99言語の音声入力に対応し、英語字幕も表示可能で、毎日1本、ドラマ仕立ての会話エピソードが配信され、飽きずに対話を楽しめる設計です。基本利用は無料で、キャラクターの着せ替えやパーソナライズなどに課金要素があります。

なぜ感情特化?Geppettoが目指す「心を動かすAI体験」

これまでのAIは、「質問に正しく答える」ことに注力されてきました。しかしGeppettoが目指すのは、人の気持ちに寄り添い、感情のやりとりを通じて「心が動く」体験を届けることです。

実際にGeppettoは、拗ねたり、怒ったり、照れたりといった微妙な感情変化を、会話文脈と連動して自然に演出できます。数百種類の感情パターンを分析し、応答のタイミングや語尾、表情といった要素まで最適化されているのです。

このアプローチにより、ユーザーはキャラクターと単なる情報のやり取りをするのではなく、「信頼関係」や「共感」を感じることができます。まさに「友だちAI」と呼ぶにふさわしい存在です。

小さくても賢い:軽量12Bモデルの実力と技術的特徴

Geppettoは12B(120億)パラメータ規模のLLMで、巨大モデルに比べると軽量です。しかしそのぶん、効率的な処理とリアルタイム性能に優れており、NVIDIAのL4 GPUとTensorRT-LLMの組み合わせにより、高速・低コストな運用が可能です。

さらに、キャラクターごとの応答スタイルを細かく調整できる設計が特徴です。たとえば「おしゃべりなネズミ」と「無口なクマ」では、言葉選びや話すペースも自動的に変わります。

将来的には、アニメキャラ・VTuber・タレントといった日本発IPとの連携を想定しており、「IPに魂を吹き込むAI」としても注目されています。

Geppettoが開く未来:エンタメ×AIの可能性とは?

SpiralAIはGeppettoを単なるAIエンジンではなく、「感情を共有できる存在」として位置づけています。この技術により、既存のIPキャラクターをAI化し、24時間ユーザーと会話できるサービスへと進化させることが可能です。

実際に、羽田空港ではGeppettoを活用した多言語案内AIの実証実験も行われており、観光・教育・小売など幅広い分野での応用が見込まれています。

また今後は、英語音声による会話対応や、コラボキャラクターの展開、さらなる感情のバリエーション追加も予定されています。

まとめ:感情を持つAIは、心の時代を創るか

感情を理解し、感情で応えるAIは、人と人の関係性に近づこうとしています。Geppettoは、冷たいテキスト応答ではなく、「温かい会話」を目指して設計されたモデルです。

日本発のこの技術が、世界中のユーザーに「話しかけたくなるAI体験」を届け、新たなエンタメの可能性を開こうとしています。今後の進化にも、引き続き注目が集まりそうです。

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kumasan

さまざまな生成AIを楽しんでいます! 趣味はエレキギターということもあり、音楽系の生成AIにかなり注目しています。また、日常やビジネスで使える便利な生成AIツールや、新しく登場する生成AIにどんどんチャレンジ中! みなさんに生成AIの情報をお届けして、その便利さを伝えたいです!

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