昨今はさまざまな資格が存在していますが、生成AIの世界にも資格が用意されているのです。
その中で代表的な生成AIパスポートという資格があるのですが、その資格を実際に受験してみた感想や、そこから感じた対策について紹介します。
また、今後試験範囲が拡大される点についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
生成AIパスポートを受験した理由
私は、「生成AIリテラシーを実践的に証明できる資格」という点に魅力を感じ、「生成AIパスポート」を受験しました。
生成AIは正直なことを言えば、誰でも使えるという点が魅力です。
逆に言えば、みんなが使えるレベルと専門的な知識を持って使っている人との違いを証明するためには、こういった生成AIパスポートという資格が必要だといえるでしょう。
ちゃんと資格として証明できれば、生成AIに対しての自信も持てると思います。
生成AIパスポートとは?(試験の概要)
生成AIパスポートは、一般社団法人 生成AI活用普及協会(GUGA)が主催する資格試験です。
AIや生成AIの基礎、プロンプト設計、リスク管理、法令・倫理、情報セキュリティなど、生成AIの利活用に必要な知識を体系的に問われます。
特別な受験資格はなく、初心者でも挑戦できる内容です。問題形式は四択中心で、知識だけでなく理解度や応用力も重視されている印象を受けました。
開催日程と受験の流れ
現在、生成AIパスポート試験は年3回(2月・6月・10月)に開催されています。各回は1か月間の受験期間が設定され、その期間中であれば好きな日時にオンライン受験が可能です。
受験方式はIBT(Internet Based Testing)形式で、自宅や職場から受験できます。受験料は一般が11,000円(税込)、学生は5,500円(税込)です。
私が受験した10月回では、申し込みから試験実施までオンラインで完結しました。
試験開始前には本人確認のためのカメラ認証や、ブラウザのセキュリティチェックは行われませんでした。
このあたりはIT関係のテストの中では少しルールがゆるく、Salesforceなどの試験では試験官が画面チェックを行っているようなので、大きく異なります。
その分、気持ちにゆとりをもてるので、こういったテストが始めての方でも安心して受けられるでしょう。
試験は60分で60問。1問あたり約1分のペースで進める必要がありますが、最終的には時間が余って見直しができるぐらいの試験でした。
来年からの試験範囲拡大について
2025年2月以降の試験から、生成AIパスポートのシラバス(出題範囲)が改訂されます。新シラバスでは、最新のAIモデルやツールが追加され、より実践的な内容になります。
具体的には、ChatGPTの新モデル(GPT-4oなど)や、Code Interpreter、カスタムGPT(GPTs)といった機能が新たに取り入れられます。また、経済産業省と総務省が策定した「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」に基づき、生成AIのリスク管理や透明性に関する知識も重視されます。
この改訂にあわせて、公式テキストも第3版が発行されています。これから受験する方は、旧版の教材ではカバーできない内容があるため、必ず新シラバス対応の教材で学習することをおすすめします。

残念ながら2025年2月移行からは、少し難易度が上がることが予想されます。とはいえ、生成AIは日々進化しているので、試験範囲が拡大されるのは当然のことといえるでしょう。
受験当日の実際(体験レポート)
試験当日は、公式サイトから自分のアカウントにログインし、試験ページから試験を受ける形です。
何か他に用意するものなどはなく、事前に作成したアカウントがあれば特別な手続きはありませんでした。
問題はすべて選択式で複数選択するものもあります。
基本的には公式テキストをしっかりと勉強していれば、それに基づいた内容がでている印象でした。どっちかなぁと迷う部分もあり、もう少し明確にわかりやすい出題だったらよかったかなとは思ったりもしましたね。
また、あとから見返すボタンのようなものがあり、ひとまず答えておいて、あとから該当の問題を見返しやすいようになっていました。
そのため、ひとまず答えておいて、あとからじっくりと考えるというのが時間に追われないためのコツといえそうです。
問題の傾向と難易度
全体的に、基礎知識をしっかり押さえていれば合格は十分可能です。ただし、応用問題では生成AIの仕組みやリスク対応を正確に理解していないと迷う設問もありました。
特にそれぞれの生成AIに使われているモデルや仕組みのようなものは、しっかりと理解しておいたほうが良さそうです。
全体的にまんべんなく出ており、ひっかけ問題のようなものはなかった印象です。(この中から誤っているものを選びなさいはある)
合格ラインは非公開ですが、一般的には7割前後の正答率が目安とされています。
勉強法と使用した教材
私はまず、GUGA公式テキストを一通り読み込み、基礎部分を固めました。その後、ネット上に公開されている模擬問題やアプリを使って反復練習を行いました。
Udemyを使って、ひたすら問題を解くというのもいいでしょう。
特に効果的だったのは、模擬問題を解きながら「なぜこの選択肢が正しいのか」を自分で説明する練習です。理解の浅い部分が明確になり、知識の定着につながりました。
また、ChatGPTなどの生成AIツールを使い、要点を自動でまとめたり、過去問の類題を作成させたりする学習法も取り入れました。実際にAIを使いながら学ぶことで、内容の理解がより深まりました。
合格後の流れと活用方法
試験後、合格通知は翌月末までにメールで届く形です。
合格者には、オープンバッジ形式の認定証が発行され、オンライン上で資格を証明できます。
実は私、、、前回分を受けた際に落ちてしまっています。
原因は5章の生成AIと法律が絡んだ内容が出る部分で、かなり迷ってしまい、その部分が悪かったようです。
あと、2章と3章もちょっと悪く、1章と4章は十分合格ラインだったので、やはり5章が足を引っ張ったのでしょう。
受けた試験の結果は、各章の正答率が教えてもらえる形になっており、実際にどの問題が間違っていたかなどはわかりません。
とはいえ、自分が弱い章はわかるのでひたすらそこを反復学習すれば、次受けるときは問題ないかもしれません。
今回受けた分の結果は11月末までにはわかるのですが、果たして、、、。
受験して感じた注意点
受験前にブラウザ設定や通信環境を十分確認しておくことが重要です。
公式サイトによれば、デュアルディスプレイなどの使用は認められていません。
それを検知するためのシステムを導入しているかは不明ですが、事前に本体からHDMIケーブルなどを抜いて、画面は1つだけで試験を受けましょう。
また、最近はEdgeやChrome以外のブラウザを使っている方が多いと思いますが、基本的には定番のブラウザで受験するようにしましょう。
また、Chromeなどで拡張機能を使っている場合はオフにすることをおすすめします。
生成AIパスポートのサイトでは特別問題を感じませんでしたが、拡張機能が原因でポップアップが表示されないなど、日常生活でトラブルを感じることがありました。こういったWeb試験を受ける際も拡張機能は全部オフにしておくほうがトラブルを避けられます。
これから受験する方へのアドバイス
- 新シラバス対応の教材(第3版)を必ず使用する
- 模擬試験で60分の時間感覚をつかむ
- 応用問題対策として、実際に生成AIを触ってみる
- 最新のAIニュースや機能追加も一読しておく
まとめ
生成AIパスポートは、生成AI時代に必要な基礎知識を体系的に学べる実践的な資格です。AIの活用とリスク管理の両面を理解していることを証明できるため、ビジネス現場でも評価されています。
来年以降は試験範囲が広がり、より実務寄りの内容に進化します。今のうちに基礎を固めておけば、新シラバス対応の試験にもスムーズに対応できるでしょう。
私自身、受験を通じてAIの理解が一段と深まりました。これから挑戦する方は、学びのプロセスそのものを楽しみながら臨むのがおすすめです。
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kumasan
さまざまな生成AIを楽しんでいます! 趣味はエレキギターということもあり、音楽系の生成AIにかなり注目しています。また、日常やビジネスで使える便利な生成AIツールや、新しく登場する生成AIにどんどんチャレンジ中! みなさんに生成AIの情報をお届けして、その便利さを伝えたいです!