補助率だけで判断せず、導入後に誰が使うのか、研修やサポートがどこまで必要かも一緒に整理しておくと、ITツールを比較しやすくなります。
結論を先に
デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠では、クラウド利用料が最大2年分対象です。導入研修や活用コンサルティングも補助対象に含まれます。登録ITツールを選び、支援事業者と連携して申請します。
この記事でわかること
- 補助金の対象者と申請枠の違い
- 通常枠で対象になるソフトウェア・研修・支援費用
- 補助率と補助額、登録ITツールの条件
- 9月29日の5次締切と申請前の準備
情報確認日:2026年9月6日。金額や対象経費は、特記のない限り通常枠の内容です。申請時は最新の公募要領をご確認ください。
デジタル化・AI導入補助金2026とは
中小企業・小規模事業者等による、生産性向上のためのITツール導入を支援します。
デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が、生産性の向上に役立つITツールを導入する費用の一部を支援する制度です。公式サイトでは、旧名称の「IT導入補助金」も併記されています。
対象となるのは、日本国内で事業を営む法人や個人のうち、制度の条件を満たす事業者です。個人事業主も検討できますが、業種や事業規模などの要件を確認する必要があります。出典:制度概要
申請枠は、導入の目的に応じて分かれています。
| 申請枠・類型 | 主な目的 |
| 通常枠 | 事業のデジタル化に向けたソフトウェア・システムの導入 |
| インボイス枠(インボイス対応類型) | インボイス制度に対応する会計・受発注・決済ソフト等の導入 |
| インボイス枠(電子取引類型) | インボイス対応の受発注システムを商流単位で導入 |
| セキュリティ対策推進枠 | サイバー攻撃などのリスクを減らす対策 |
| 複数者連携デジタル化・AI導入枠 | 複数の中小企業等が連携して進めるデジタル化・生産性向上 |
以下では、業務用ソフトウェアやクラウドサービスを導入する際に検討しやすい「通常枠」を中心に見ていきます。枠によって補助率や対象経費は異なります。出典:申請枠の種類
通常枠の対象経費は、ソフトウェアから導入研修まで
ツールの費用に加え、導入と活用を支える役務も対象です。
| 区分 | 補助対象経費 |
| ソフトウェア(必須) | ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分) |
| オプション | 機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ |
| 役務 | 導入・活用コンサルティング、導入設定、マニュアル設定、導入研修、保守サポート |
出典:通常枠の補助対象
社内で新しいツールを使い始めるには、アカウントの準備だけでなく、初期設定や担当者への説明も必要です。制度には、そうした導入と活用を支える費用も含まれています。自社でどこまで対応し、どの部分を支援事業者に依頼するかを、見積もりの段階で整理しておきましょう。
ただし、任意の研修やコンサルティングを自由に追加できるわけではありません。導入するソフトウェアと、オプション・役務それぞれの登録内容や対象範囲を確認する必要があります。通常枠ではソフトウェアが必須のため、研修費だけを申請する形にはできません。
最大2年分の意味
クラウド利用料の「最大2年分」は、補助対象にできる期間の上限です。2年間の利用料が全額支給されるわけではなく、認められた対象経費に補助率が適用されます。
補助率は原則1/2、補助額は5万円から450万円
補助率と補助額は、従業員の賃金に関する要件や業務プロセス数によって変わります。
| 項目 | 通常枠の条件 |
| 補助率 | 原則1/2以内。所定の要件を満たす場合は2/3以内 |
| 1プロセス以上 | 5万円以上150万円未満 |
| 4プロセス以上 | 150万円以上450万円以下 |
補助率が2/3以内になるのは、2024年10月から2025年9月までの間で3か月以上、2025年度改定の地域別最低賃金未満で雇用する従業員が全従業員の30%以上であることを示した場合です。小規模事業者なら一律に2/3になるわけではありません。出典:補助率・補助額
たとえば、認められる補助対象経費が60万円で補助率が1/2なら、単純計算で補助額は30万円です。実際の交付額は審査や対象経費の確認によって決まるため、見積もり総額がそのまま計算の基礎になるとは限りません。
登録ITツールと業務プロセスの確認が必要
申請する製品の登録状況と、対象となる業務プロセスを確認します。
通常枠では、事務局の審査を受けて登録されたITツールを選び、登録済みの「IT導入支援事業者」と連携して申請します。便利そうなサービスを先に契約してから、利用料を補助金に振り替える仕組みではありません。出典:制度のしくみ
ITツールには業務プロセスの条件もあります。顧客対応・販売支援、会計・財務・経営、供給・在庫・物流など、少なくとも1種類の業務プロセスを持つソフトウェアが必要です。汎用・自動化・分析ツールに当たる汎用プロセスだけでの申請は認められていません。出典:ITツールの要件
AI機能が付いているという理由だけでは、対象かどうかを判断できません。使いたい製品の登録ITツール名・ITツール番号・業務プロセスを確認し、自社が改善したい業務と合うかを支援事業者に相談しましょう。
公式のITツール・IT導入支援事業者検索では、移行登録の反映途中で表示されない場合があると案内されています。また、オプションや役務は検索結果に含まれません。検索結果に出ない項目は、支援事業者に登録情報を確認してください。
通常枠の5次締切は2026年9月29日17時
5次締切に向けて、事前準備と申請の最終確認を早めに進めましょう。
| 手続き | 5次締切分の日程 |
| 交付申請の締切 | 2026年9月29日(火)17:00 |
| 交付決定 | 2026年11月9日(月)予定 |
| 事業実施期間 | 交付決定~2027年4月30日(金)17:00予定 |
| 事業実績報告期限 | 2027年4月30日(金)17:00予定 |
2026年9月6日時点で公表されている日程です。締切時刻を過ぎると申請・提出はできません。公式サイトは直前のアクセス集中にも注意を促しているため、入力と最終確認の時間を確保して進めましょう。出典:事業スケジュール
申請から導入までの進め方
申請前の準備、交付決定、契約、実績報告の順番を守って進めます。
step
1
まず、公募要領で自社が対象に当てはまるかを確認します。あわせて、どの業務に時間がかかっているか、導入後に何を改善したいかを整理すると、ツールを選びやすくなります。公式資料ダウンロード
step
2
申請にはGビズIDプライムの取得と、SECURITY ACTIONの一つ星または二つ星の宣言が必要です。公式サイトではGビズIDプライムの発行におおむね2週間と案内しています。未取得の場合は早めに準備しましょう。出典:申請前に必要な手続き
step
3
登録ITツールと支援事業者を選び、ソフトウェア・オプション・役務の見積もりを確認します。導入目的と費用の内訳を整理し、支援事業者と連携して申請を進めます。出典:新規申請・手続きフロー
step
4
契約のタイミングに注意
発注・契約・支払い等は、事務局の交付決定を受けてから行います。交付決定前に行った場合、補助金を受けられません。申請の完了と交付決定は別の段階です。
step
5
事業完了後は、契約・納品・支払い等を確認できる証憑を添えて実績報告を提出します。その後、補助金額の確認・承認を行い、定められた時期には事業実施効果報告も必要です。費用が先に支給される前提にせず、導入時の支払いに備えておきましょう。出典:交付決定後に必要な手続き
この記事のまとめ
- 通常枠はクラウド利用料最大2年分と導入研修・活用支援も対象
- 補助率は原則1/2以内、補助額は条件に応じて5万円~450万円
- 登録ITツールと対象経費の確認が申請の出発点
- 発注・契約・支払いは交付決定後に行う
よくある質問
申請前に迷いやすい対象者、対象期間、研修費、契約時期を確認します。
個人事業主も対象ですか?
制度概要では、日本国内で事業を営む法人または個人を対象としています。業種や事業規模などの条件があるため、申請枠の公募要領で自社の該当要件を確認してください。
クラウド利用料は何年分まで対象ですか?
通常枠では最大2年分です。料金が全額支給される意味ではなく、認められた対象経費に補助率が適用されます。
研修やコンサルティングだけでも申請できますか?
通常枠はソフトウェアの導入が必須です。導入研修や活用コンサルティングなどは役務として対象になりますが、登録内容と対象範囲の確認が必要です。
申請を終えたら契約してもよいですか?
発注・契約・支払い等は交付決定を受けてから行います。交付決定前に行った場合は補助金を受けられません。
導入費用と活用支援を、一緒に検討する
対象要件と業務課題を整理し、公式検索と支援事業者への相談から始めましょう。
デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠は、ソフトウェアやクラウドの導入に加えて、研修や活用支援まで含めて検討できる制度です。補助額だけで選ぶのではなく、自社の業務に合ったツールと支援内容を見つけることが、導入後の活用につながります。
最初に進めたいのは、対象要件の確認と、改善したい業務の整理です。そのうえで公式のITツール検索を使い、支援事業者に対象経費と自己負担額を相談してみてください。
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出典・公式資料
制度の詳細と最新情報は、以下の公式資料で確認できます。
制度概要・申請枠の種類
通常枠:補助率・対象経費・ITツール要件
ITツール・IT導入支援事業者検索
事業スケジュール
申請前に必要な手続き
新規申請・手続きフロー
交付決定後に必要な手続き
公募要領などの資料ダウンロード